第202話 「分裂体の消息の推理」
マノワールとセイリムリの戦いから飛び出した二人の女性。
彼女たちは王城を飛び出して、重大な事実を連絡するべく向かった。
「ミーニャ! オキャルンさん!」
「エルマージ! ニンメイちゃん!」
「もう倒したんですか~!」
王城前広場にたむろしていた仲間たちと、合流したエルマージら城からの脱出組。
貴族たちの身の安全は確保できた。
しかし説明すると、状況が悪くなったことに気づくミーニャたち。
魔物の一員として、魔物の知識が深いオキャルンを頼りにしていたが―――――
「―――――だからセイリムリの分裂体を探さねばならない! オキャルンさん! 何かいい方法はありませんか!」
「すみません~魔物は種類が多すぎて~特定することは、わたしにはできないです~!」
「そうですか。どうすればいいんだ」
エルマージは悩む。
このままでは無辜の民草が大勢犠牲となってしまう。
少しでも手がかりを得るべく、思索を深めていく。
彼女の記憶にあった違和感をから、ヒントを得た。
「セイリムリはいつも何かを食べていた。不自然なほどに。きっと擬態には多くのカロリーが必要なのだろう」
「ただのデブでは?」
「そうかもしれない。しかしアタリをつけていかねば、時間が経つばかりだ。総当たりするだけの時間はない」
ニンメイの問いかけに、自信なさげに応えるエルフの女性。
エルマージも悩みながら、心当たりを模索していく。
「デブが好きな物……脂っこい食べ物。肉類。スナック菓子。甘いもの」
「確かにデブの好きそうなもののところに、集まっているという可能性もあるニャね。そこには人間もたくさんいるだろうから、人質もとりやすい……とすると食堂など……」
元エリート教師のミーニャも、その頭脳を生かして考える。
捜査の手がかりとなる着想を得てゆく。
「――――――――ハンバーガーだ!!!!!」
急に叫ぶエルマージ。
パンの間に脂肪の多い成形肉を挟んだ食物。
「ハンバーガー屋になら、それらすべてのデブが好きそうなものがある!」
「なるほど! そういうことですか!」
ハンバーガーチェーンならば、甘い物やスナック菓子もある。
脂っこい肉類があり、カロリーの塊のようなものだろう。
「そして多分だけど人がたくさんいるところにいるニャ! 人質にしやすい、そして隠れやすい場所……」
水色のツインテールをした獣人も、更に真相の究明を試みる。
そしてついにセイリムリが潜んでいる場所を、特定にまで至った。
「王都一のハンバーガー店である、デブカツブタノエサにゃ!!! あそこはかなり広々とした店で、セイリムリの分裂体が沢山いても、散らばっていてわかりにくいにゃ!!! あそこで食べているのを知られるのは恥ずかしいということで、完全個室制だから隠れやすいです!!!」
「凄い! ミーニャさんの推理力凄いです!」
「エルマージのおかげにゃ」
ニンメイは飛び跳ねながらミーニャを褒める。
マノワールのパーティにはかなりのインテリが揃っている。
彼女たちの頭脳をもってすれば、解き明かすことが可能となった。
あとは現場で答え合わせをするのみ。
「ミーニャさんのおかげで絞ることができましたね~! 恐らくはあの場所~。人が多い、隠れやすい、太った方が好きそうな場所~……」
「庶民街の中心部にあるデブカツブタノエサへ向かうぞ!」
エルマージが音頭を取り、オキャルンたちも走る準備をする。
俊足揃いの彼女たちなら、すぐに到着することだろう。
「なるほど。流石にボクの速度では、みんなの足並みには揃わないな。ここで貴族の方々を守るとしよう」
「頼んだアクレイ。こっちも非常に大事なことだ」
アクレイに推理を報告したエルマージは魔法を起動し、身体能力を強化する。
獣人、忍者、鳳仙花による機動力補助。
彼女たち4人は、爆発するように飛び出す。
「皆行こう! 試してみる価値はある!」
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