第2話 「力を得るための、冒険者としてゴブリン狩り」
待ちに待っていた休日を迎えると、僕はある場所に向かっていた。
朝早くで人が賑わい始めているが、まだ空いている。
「ようこそ冒険者ギルドへ」
「薬草採取の依頼を承れませんか?」
「はい。こちらにどうぞ」
眼鏡姿の愛想のいい、銀色の髪を後頭部でまとめた受付の女性。
まん丸の大きな瞳。
落ち着いた笑みを浮かべた、若く滅多に見ないほどの美人だ。
僕のことなんて眼中にもないだろうと、要件に集中する。
薬草採取の依頼をこの年になってやるとは。
だが作戦あってのことだ。
それにしても僕みたいなオッサンがこんな子供でもできる依頼をするのに、見下してこないなんて。
この受付嬢は冒険者界隈で言う、いわゆるアタリだな。
嫌な人もたくさんいるが、この人はとても人当たりのいい人だ。
「こちらとなります。頑張ってくださいね」
「ありがとうございます」
眼鏡をかけた獣人の美しい女性が、俺に依頼証を手渡す。
にっこりと笑って見送ってくれた。
こんなオッサンに笑顔を見せてくれるなんて、ニンメイちゃんくらいしかいないから嬉しいものだ。
そして目的の森の奥地へと向かう。
僕の目論見が当たっているかを試すのだ。
「アース! できた」
朝日が登り切ったころには森に到着し、昼前には完成した。
この中に入って敵を待つだけだ。
「ここで敵を待ち構えて、攻撃すればゴブリンも楽に倒せるし、レベルアップだって!」
僕は地面を抉り取って、握り締めた。
こぶし大の土塊が出来上がる。
「来た……ゴブリンだ!」
緑色の1m程の、醜い子どものような魔物。
人を積極的に襲う、人里近くにまで現れる害獣だ。
成人男性なら一匹相手にするのは訳ないし、駆除することを推奨されている。
それ目掛けて、3本の指で弾いた。
ズドォッッッ!!!!!
「っグギャッ!?」
ゴブリンは弾け飛んだ。
血と臓物が辺りに散らばっていてグロい。
「レベルアップ! こんなに早く!」
―――――――――――――――――――――――――
【マノワール・オッサツイホ】
職業:自宅警備員
Lv :13
HP :110/135
MP :48/82
攻撃力:266(×3) 実数値89
防御力:321(×3) 実数値107
魔法力:211(×3) 実数値70
素早さ:234(×3) 実数値78
スキル
数学lv34
科学lv37
社会学lv24
礼法lv26
芸術lv17
舞踏lv15
製作lv35
建築lv31
土魔法lv2
―――――――――――――――――――――――――
能力値が大幅に上昇している。
元が悲惨なものだったし、自宅である土の小屋に入れば上昇率も物凄いものだ。
「ステータス値がこんなにも! 今までどんなに頑張っても、ほとんどレベルアップなんてしなかったのに!」
実はゴブリン退治は初めてではない。
妙にギルドでの手続きがスムーズだったのは、昔に体験していたからだ。
若い頃に、レベルアップが何かの引き金にならないかと夢見て、討伐依頼を受けた。
結果は全治一か月の裂傷と打撲。
事前準備に半年ほど剣を振って、装備も慎重に準備していたのに、そんなザマだ。
「よし! この調子で!」
その後も僕は狩り続けた。
レベルを上げて、更なる力を得るために。
しかし脅威を発見する。
相変わらず僕は間が悪いなと思った。
だがどうにかしなければならない。
「あれは……オーク!」
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