第12話 「大漁収穫すぎることで生じた悩み」
次の日になって、僕達は昨日と同じように森へと赴いていた。
でも違う部分があり、昨日とは遠く離れた地点に向かおうとしていた。
「昨日とは狩場を移動しよう。あの周辺に魔物はいない可能性がある」
「ここから近いところですと、ここでしょうか」
さすがに一日で狩場に集まるとは思えない。
冒険者が間引きしているのだから、魔物たちも同族の血の匂いには危険だと察知しているだろう。
地図のある地点をニンメイちゃんは指さす。
円滑に依頼を運ぶため、準備していてくれたのだろう。
「調べてくれたんだ! 助かるよ!」
「えへへ。褒めて下さって嬉しいです」
本当に気が利く子だ。
可愛らしく照れながら、指を忙しなく組み替えているのが愛らしい。
「僕も防具を買っておいたんだ。危ない作業をするからね」
「えっ!? わたしにですか!? マノワールさんの分は!」
「昔から使っているので十分さ。腰掛に過ぎないからね。でもこれを買ったんだ」
「リヤカー!」
大小の手押し車を二個。
これで20体くらいは運べると思う。
今の僕の力なら、荷車があれば15体くらいはいけるだろうし。
あとはニンメイちゃんに運んでもらえればいいだろう。
「なんだかオークが多いな」
「もう5体も狩っちゃいましたよ」
僕は塔のような高層建築を作り、そこから投擲するようになっていた。
ここからなら安全だが、これを作る前にアクシデントもあった。
森に辿り着いて建てたばかりに、敵とエンカウントしたのだ。
近くに石があってよかった。
それを投げつけてから、なんとか撃退できた。
「こんなにオークはいるものなのか? おかしくないか」
「わたしもそう思います。猪とかよりも多く見ますよ。どう考えても異常です」
オークにも餌場があり、それは一定範囲のものだろう。
同族が近くにいれば取り分は少なくなる。
昨日もそうだったが、近くに多すぎる。
こんなに密集していれば、エサが足りないだろう。
一日待ち受けて、数体見つければ御の字くらいに思っていた。
「マノワールさん凄い! わたしは要らなくないですか……?」
「君のおかげで万が一のことはなくなるし、狩場の周辺に魔物がいなくなったら、効率的に移動できる。大丈夫。とても助かっているよ」
「ありがとうございます」
リスク管理は大事。
命に係わるのだから。
「しかしこれだけ狩れるとなると、素材を持ち帰ることが難しいですね」
「そこがネックだ。狩って稼ぎたいのに、肝心のお金がここで頭打ちになってしまう」
これ以上狩るとなると、持ち運びきれない。
一日をフルに使いたいが、半日過ぎたころには満杯だ。
捨てていくのは、もったいなさすぎる。
かといって無駄に戦闘リスクを背負って狩り続けるのは、金銭的だけでなく損だ。
「仲間の人数を増やしたいところですが、わたし達は腰掛ですからね」
「冒険者の知り合いもいるにはいるが、僕たちとはレベルにばらつきがあるからな」
町に定住していれば、冒険者の知り合いは必ずできるだろう。
でもここまで狩れる人もいないし、ほとんどは日雇いの仕事をしているばかりだ。
命にかかわるようなオーク退治を出来るなら、もっと上に行くだろうし。
Bランク以上となれば、一般市民とは生活レベルの格が違う。
僕と同じくらいの年で熟練の冒険者になれば、歴戦の戦士。
ここまで来てもらうのは、躊躇われる。
「あちらの方向に何か感知しました!」
「あれはオークの群れ!?」
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