せっかく、僕は君と結婚したのにね。
“せっかく、僕は君と結婚したのにね。”
僕はずっと君と結婚したいと望んでいた!
誰かに君を取られるぐらいなら、僕が君を幸せすると心にも決めていたのにさ。
君は物凄くモテるから? 正直、怖かったんだ!
でもやっと君が僕のモノになる。
・・・でも? 僕の望んでいた君との結婚生活じゃないと気づた。
『あのさ、洗濯終わったら? 次は、ご飯の準備して!』
『・・・あぁ、ううん!』
『“あぁ、ううんじゃなくて、はいだよね?”』
『はい!』
『“いい返事なんだけど、もっと大きな声で次から言ってくれる!”』
『“はい!”』
『やればできるじゃん! じゃあー掃除もお願いね!』
『あぁ、は、はい!』
『“【はい】は一回と【あぁ】は要らないから!”』
『はい!』
『よろしい!』
『・・・・・・』
・・・まるで僕は、彼女の家のお手伝いさんだ!
何から何まで彼女は僕を使って、何でもさせる。
彼女は僕に指示した後は? ソファでゴロゴロ横になってテレビを見ている。
朝からお酒を飲みながら、僕に指示を出すのだ!
最初に僕が彼女に出会った頃は、彼女は純真で可憐な女の子だと僕は思ったが、
今は随分とかけ離れてしまった。
平気でどこでもオナラもするし、3日前はオシッコも漏らした。
穿いていた部屋着のズボンはビチョビチョで、その洗濯も彼女は僕にさせる。
毎日仕事帰りに、友達と飲みに行ってなかなか帰って来ないし。
ベロンベロンに寄って帰って来るから、家の前の玄関で寝ている事も多々ある。
僕はもうそろそろ彼女が家に帰って来る時間になると玄関先まで出て彼女が
その辺で寝ていないか確認するんだ!
家に着く前に酔いつぶれて道端で寝ている妻を見るのは辛い。
“僕はここまでして、彼女と何故結婚したのだろう、、、?
もう忘れてしまったよ。”
『“あのさ、もう僕と別れないか?”』
『えぇ!? 何言ってんのよ! 別れないわよ!』
『“僕は理想の結婚をしたかっただけなんだ!”』
『“でもさ、アンタが私を選んだんでしょ!”』
『・・・そ、そうだけど、』
『“最後まで、男なら責任取りなさいよ!”』
『責任って? もう十分、責任は取ったはずだよ、』
『“私は簡単にアンタと別れないわよ!”』
『“どうしたら、僕と別れてくれるんだ?”』
『そんなに私と別れたいんだね。』
『・・・もう、疲れたんだ、』
『“男でしょ! 弱気な事なんて言わないでよ!”』
『・・・お、男でも弱音を吐かせろよ。』
『じゃあーこうしない? 家事は半分私が担当するわ!』
『・・・・・・』
『いい提案でしょ! 家事を私が半分もするのよ、何が不満なのよ!』
『“もう、別れてくれよ、”』
『考えとく!』
『・・・・・・』
ぬらりくらりと彼女は僕に言い訳を言ってまともに話し合ってくれない!
別に彼女を心底嫌いになった訳じゃない!
でも? “別れたいと言うのも僕の本心だ!”
もう疲れたんだよ。
他の女性と結婚していたら? 今の僕はどうなっていたんだろう
とよく考える事があるんだ!
彼女じゃなければ......。
僕は今頃、幸せだったのかなとね。
・・・僕はただただ彼女との幸せな結婚生活を夢見ていただけだった!
他に何も要らないとまで思っていた。
彼女さえ僕の傍に居てくれればと。
“でも、現実は違う!”
僕は幸せになれなかったし、彼女も僕じゃなくても幸せだったはずだ!
彼女と何故? 僕は別れられないのだろう?
こんなに彼女への気持ちが遠くなっていても。
彼女は僕を手放してくれない!
それは、どうしてなのか? 僕には未だ分からないでいる。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。