脳内会議
同じテーブルに座った彼女に、僕は目を奪われていた。
こんな事は初めてで、でもこの感情が何かはわかってて。
いつもなら、最初から諦めていたんだろう。でも今回はどうしても、諦めたくない。
その気持ちが僕はを突き動かす。
「あはは・・・」
「でねでね・・・」
そう上手くはいかなかった・・・
会話に入ることができない!そもそも入る必要がない、だってただの相席だもの。
でも!でも!でも!彼女とお近づきに・・・いや!デートがしたい!
したことないけど・・・
どうすればいい?誘うしかない・・・どうやって!?
そもそも俺がいきなり話しかける、それだけで引かれてしまいそうだ・・・
あの!僕と、デートして戴けませんか!そう言葉にすれば、良くも悪くも結果はでる。
でも怖い・・・引かれるかなぁ・・・
などど、脳内会議を行う。
しかし人が周りにいる、この状況に不慣れな僕の脳内会議は、会議室の外に音漏れしていたようで。
「わぁ~先輩大胆~、そういうの慣れてなさそうな陰キャぽいのに」
「楓!失礼なこと言わない!」
「へ?僕何か・・・」
「美緒をデートに誘ってましたよね?」
「!!」
なぜだ!漏れていたのか!!俺の脳内会議室はどうなってるんだ!
「あの、先輩。」
「は、はい・・・」
「いつもこんな風に女の子誘ってるんですか?」
「そ、そ、そ、そんなkgふぉいあhぢ」
「嚙みすぎですw」
「す、すいません・・・」
「いいですよ」
「何がですか?」
「いや、デートです。」
「!!!」「」
「いつにしますか?」
「遠坂美緒さんのご都合の良い日があれば・・・」
「フルネームw、明日の土曜日なんかどうですか?夕方までなら時間あります。」
「は!はい!おおぉぉおぉ願いしますうぅぅうぅ。」
「慌てすぎwなんか可愛いですw」
「い、いや、遠坂美緒さんが世界一可愛いですよ。」
「へ・・・」
また漏れたよ、僕の脳内で思った事が口から勝手に出るんですけど。
引かれたよこれ、間違いない、せっかく約束出来たのになぁ・・・こんなことなら・・・
俯きながら猛烈な後悔に襲われた。
恐る恐る視線を上げる、するとそこにいた美緒さんは真っ赤に染まる頬を両手で抑え、こちらを見つめていた。
「やっぱり、慣れてます?」
「い、いえ、慣れてなんか・・・」
「そうだよ美緒、どう考えてもこの先輩は童・・・」
「楓ちゃん?」
「ごめんなさい・・・」
僕らはその後、連絡先を交換し、午後の講義に向かった。




