城下町と運命
まだまだ未熟な部分が多いですが楽しんでもらえれば幸いです。
昔々、とある有名な魔法使いが世界を滅ぼしてしまうような魔法を作りました。その魔法はずっと隠されていましたが、ある時心ない人に悪用されてしまい世界は滅びてしまいました。
「広い町だな。」
麗らかな日和の中そう呟くのは、城下町に着いたばかりの特別な本でした。城下町も他の町と同様に壊れている建物ばかりでしたが、彼は新しい知識が欲しいので、早速図書館を探すことにしました。しかし図書館は壊れていて、新しい知識はありませんでした。残念に思いながらも仕方ないと考え、無事そうな建物を探索することにしました。
この町は城下町と言うだけあってだいぶ広く三日も探索していました。三日で集めた本はとても多く、山のように積まれていました。彼はその本の山を一冊づつ読むことにしました。
二日経った頃、本の山はとても小さくなっており、日記を残すだけになりました。この町の無事な本を読んで恋愛小説が多いなと彼は思いました。そして残りの日記を読むことにしました。しかし無事だと思った日記の多くは書かれていないか、中がうまく読めないものばかりでした。そんな中一冊の無事な日記があったので、早速読むことにしました。
«一目惚れをした今日から彼女に関係したこと、自分の気持ちを書いて情報をまとめようと思う。
今日は裕一に誘われて、お城のパーティーに行った。場の雰囲気に疲れ、途中でお城の庭に出ていった。そこで花を摘んでいる彼女を見て一目惚れをした。緊張しながらも彼女に自分から勇気を出して話しかけた。彼女は優しくて、会話はマウントばかりのパーティーよりも楽しかった。しかし、緊張していて彼女についてあまり聞けなかったことは残念だった。しばらくしてから、僕を探してくれた友人が来た。すると彼女はすぐにどこかへ行ってしまった。すると裕一はこっそりと写真を撮っていたようで、写真を片手に色々なことを聞かれた。その質問にのらりくらりとしながら家に帰った。
一目惚れをした日から数日が経った頃、なんとなく見ていた新聞で彼女を見つけた。友人に撮られていた写真と見比べていたが、間違いがないことがわかった。彼女はこの国の第三王女だった。だからこそお城で会えたのだろうと思った。もう一度会ってもっと親密な仲になりたいと考え、将来の夢のために王立研究校に進学するという記事を信じ最難関と呼ばれる大学を目指すことにした。
一目惚れをした日からだいぶ時間が経った。この国の第一王女に恋破れた人に会う機会があり、色々なことを聞いたが結局王立研究校に行くしか道がないと考えた。
一目惚れをした日からだいぶ時間が経った後に、彼女が王立研究校に入学しないことがわかった。しかし、入学式の日に王族代表として来ることもわかったのでこの一日にすべてを賭けることにする。
明日が入学式だ。裕一をはじめとする友達や先生、親など色々な人に助けてもらい、やっと入学できた王立研究校の入学式。彼女と仲良くなるためのプランも五つほど考えた。明日は文字通り一生懸命頑張るぞ!!
»
この後は残念ながら、ボロボロになっていて読めなかった。彼はふと、お城にあった豪華な日記帳が読んでない日記にあることを思い出した。早速読み始めることにした。。
«私が主催したパーティー中に友達が訪れた。彼はいつものように「結婚してくれ」と言った。私もいつものように「お互いが半世紀生きても独身だったらね。」と、のらりくらりとした言葉を放った。彼は先程のやり取りがなかったかのように話し始めたので私も一緒になって雑談をしていた。しばらくして真剣な表情で「君の妹のタイプを知らないか」と聞かれた。「何故その情報がいるのか」と聞くと彼の知り合いに私の妹が好きな人がいることを包み隠さず教えてくれた。だから私は、「三女は昔は人見知りだったのに初対面で話せた人がただ一人いること」と「その人のお陰で様々なことに挑戦できるようになったこと」を教えてあげた。すると彼は「また来る」と言い残し満足そうにして帰った。»
この後は読めなかったが、特別な本はなぜか心が温かくなるのを感じながら、残りの日記を読み終えて、この町から去ることにしました。
彼がこの町の門にたどり着くと、ふと少し蒸し暑くなっていることに気づきました。彼は何も言わずに新しい知識を探す旅に出るのでした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
\(_ _)