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滅びた世界の本の旅  作者: 「わわわ
1/8

猫と壊れた町

初めての書いた小説ですので不束ではございますが楽しんでいただけると幸いです。

昔々、とある有名な魔法使いが世界を滅ぼしてしまうような魔法を作りました。その魔法はずっと隠されていましたが、ある時心ない人に悪用されてしまい世界は滅びてしまいました。


「ここも、ボロボロ。」

快晴の中、壊れた町を見ながらこんなことを呟いているのは、特別な本です。

「前の町には新しい知識がなかったけど、ここには新しい知識があるかな?」

彼はそう言いながらまず図書館に向かいました。しかし、残念ながら図書館があった場所はまっさらな土地になってしまったので、新しい知識はありませんでした。滅びた世界に新しい知識が残っていることは少ないので仕方ないと諦めて、この町を探索することにしました。人がいないせいで町は自然と融合しようとしているような状態のなか、一軒一軒家をまわったり、ビルを上れるところまで上ったり、中が無事な塔の中を見たりして本をかき集めました。

「この中に知らない知識があると良いな。」

一冊また一冊と読み終わった本が彼の横に積まれていきました。そして、彼の目の前から本がなくなり全ての本が横に積まれていました。

「収穫無しか…。」

若干気分が沈んだ声でそう言うと、どこからかなにかの鳴き声が聞こえてきました。

「!?」

驚いて意識をそちらに向けると、なにかが目の前の家の中に入って行くところでした。滅びた世界に動くものがあることに驚きながら、新しい知識が手に入るのではないかと考え、彼は急いで追いかけました。なにかが入った家に入り、中を見ると猫のロボットが家の中に垂れている蔦で遊んでいました。その姿を見て思わず

「可愛い」

と呟いていました。

その声に気づいたのか「ニャー」と鳴きながらこちらを向きました。つぶらな瞳に見つめられていると、なんとなく気まずくなったのでその猫のロボットを観察して現実逃避していると、首輪に手紙が入っていることに気がつきました。その手紙に新しい知識があるかもしれないと考えた彼は、首輪から手紙を取り読んでみることにしました。


«この手紙を読んでくれている人へ

この猫の名前は(文字がかすれていて読めない。)だ。この子は魔法をうまく組み込んだロボットで、壊れても時間をかければもとの形に戻る特性を持っている。この魔法を教える代わりに、この子に“飼い主はもういないから自由にして良い”ということをつたえてくれ。魔法はそれを伝えた後にこの子に聞いてくれ。(途中の文字がかすれていてうまく読めない)

ありがとう。»


新しい魔法に興味がある彼は猫に

「この手紙に、君に自由にして欲しいと書いてある。」

と伝えました。すると猫は「ニャー」と鳴くとどこかに行ってしまいました。しかし少し待っていると猫が本を咥えて戻ってきました。

「この町にある本は全部読んだはずだけどあの本は知らないな。」

彼は新しい知識に心躍らせながら猫から本を受け取りました。本の表紙には«壊れても元に戻る魔法の研究結果»と書かれていました。彼は本に意識を向けました。


本を理解し終えて辺りに意識を戻すと日が傾いていました。猫のロボットは目に入る位置にはいませんでした。きっとこの世界で第二の人生、いや第二の猫生が始まったのでしょう。

「ありがとう」

彼は誰に言うでもなくそう呟きました。そしてこの家で夜を明かすことにしました。。


日が昇る頃、特別な本が町と道の中間のような場所にいました。このボロボロの町では新しい魔法について知れました。が、この魔法を生涯使うことがないことをこのボロボロで壊れたままの町が物語っています。彼はこの町に背を向け去ろうとしました。するとどこからか「ありがとう」とまるで動物ががんばって真似るような声が聞こえました。その時彼はふと«猫は一生に一度、人の言葉を喋る»という迷信を思い出しました。誰に伝えた言葉か分からなかったけれど、とても心が温かくなりました。そんな彼は一度も振り返らずにこの町を去りました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。("⌒∇⌒")

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