第96話 ダンジョン行きの準備
「ギルドが精査して、来週からダンジョンに潜れるようにするみたいだから、アイリスがダンジョンに行けるとしたらその頃だね」
「来週ですか……もっと早く行きたいですね。今すぐにでも行きたい気持ちなんですけどね」
ダンジョン踏破一番乗りしたい私としては、誰よりも早くダンジョンに行きたいのだ。
「そんな可愛いらしい仕草で言っても無理なものは無理だからね」
「チッ！」
ついつい舌打ちをしてしまった。
「アイリス。女の子が舌打ちなんかしちゃダメだよ。
それにアイリスは、ダンジョン踏破したいんでしょう。
中級ダンジョンだと最下層まで行くのに一日では無理だから、寝泊まりするためのテントなども必要だったりするんだからしっかりとダンジョンに入れるようになるまでに準備が必要にだよ」
そうだ。ダンジョンの中で寝泊まりするかもしれないんだ。
テントだと下が地面で、疲れが取れないといけないからログハウスを作ろう。
そうすれば、ベッドで寝れるからしっかりと休めるもんね。
「わかりました。準備します。まずはログハウスを作ってきます」
「何でログハウスを作るんだい？テントを買いに行くとかじゃないのかい？」
「はい。テントでも寝ることはできますが、下が地面なので、疲れが取れないと思うのです。
だからちゃんとした家を持っていって、ベッドで寝ればしっかり疲れが取れると思うからです」
「そうか……野宿は色々と不便なものなんだけど、馬車を造った時にも感じたことだけどアイリスは、その不便さが許せないんだね。
まあ、ダンジョン内なら多くの者の目に付くわけではないから、まあいいか」
よし！カイル兄様の許可も出だし、ログハウスを作りに庭に行こう。
「他に必要なものあるのかな？
ルシフェル。アナリスさんかマロンさんに聞いて、必要な物があったら、買っておいて欲しいのだけどいいかな？」
「マンションの管理人をしているが、時間を持て余しているから構わんぞ」
「ありがとう。サクヤも参加する？」
「僕は、専属騎士になるために学ばなければならないことがあるから不参加だね」
「そっか。じゃあ私、ルシフェル、アナリスさん、マロンさんの四人分。
足りない物や必要な物を買っておいてルシフェル。
これお金ね。食料とかは私が用意するから必要ないよ」
「わかった。行ってくる」
ルシフェルは、お金を受け取ると出ていった。
食料は、私の無限収納にまだまだ肉やら野菜やら色々と食材があるからね。
それにしてもお金が貯まるばかりで、使い道がほとんどないな。
孤児院とかあるなら寄付とかしようかな。
そして私も庭に移動して、ログハウスを作って無限収納にしまった。
そしてアナリスさんとマロンさんの所に行ったルシフェルが三十分くらいで戻ってきた。
「どうしたの？早くない？」
「ああ、必要な物はアナリスとマロンが調査に行くために揃える時に既に人数分用意していたらしくてな買う物は無いということで帰って来た」
「そうなんだ……」
アナリスさんとマロンさんが準備してくれていたのか。
ルシフェルに渡したお金が丸々返された。
「はい。金貨二百枚あるから手間賃としてあげるよ」
ルシフェルから返されたお金の入った袋をまたルシフェルに渡した。
どのくらい必要かとかいくらするかもわからないから多めに渡したのだけど、一枚も使うことなく返されるとは思わなかったからね。
ルシフェルもたくさんお金持っているだろけど、私より使う機会が多いだろうから手間賃として渡さないと私の無限収納貯金が貯まる一方だからね。
ギルドの口座にも権利料として収入が振込まれているらしいし、使うことがないから一度も確認してないから今度確認してみよう。
こうしてあっという間にダンジョン行きのための準備は終わってしまった。
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