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「それにしても多いわね。」
それから他の人もルールの公開を行った。結果、一番大きな数字で27。つまり最低でも、それだけ数が多いらしい。
他の人が公開したルール、鏡音さんが公開した
ルール4
『行われるセッションは、最大で8回である。』
古満さんが公開した
ルール19
『インターミッションは3時間与えられる。』
水之江さんが公開した
ルール24
『飲食が十分でなければ、次回セッション時にその割合に応じて、飢餓状態から開始される。』
今は僕がまだ公開していない一つを覗いて、全部で6個。僕は7個把握していることになる。
「困りましたねー。」
「そうですね。どれも重要ではありますが、ゲームのクリア条件が分からない。これは困りものです。」
「それに鏡音さんのルールですね。前の状態で、私は3時間以上動いた、そう考えられますから。」
「ええ、私の方も反応に時間がかかるものが有ったし、その程度は優に過ぎているわ。」
「えー。なんかこう、そう言った反応ってぱっと起こる物じゃないんですか。ほら、良く映画とかであるじゃないですか。」
「ごめんなさいね。説明してあげたいけど、ここでの話し合いが3時間だとしたら、先に必要な事を話しておきたいの。簡単にだけ言っておくと、時間のかかるものも多いし、時間をかける事で結果が変わる物があるのよ。」
そう、さっきまでの殺し合いが3時間以上だったのなら、今回、今こうしていられるのが3時間だけという事になる。だから色々と、多分何かを離さなきゃいけないんだろうけど。それを話すほどの情報がない。
少なくとも、僕には思いつかない。
「セッションが8回。もしもランダム性がない、既に獲得したものがのぞかれて、初期位置に必ず一つであるなら。」
「4回目にはすべて埋まりますが、それを待ちますか。」
そう話しが進むが、僕としては流石にそれには異論がある。
「あの。」
「なんですか。」
「皆さんは、脱出ゲームとかって、ご存知ですか。」
ここにいるのは見るからに年上、何となく僕もそんな言葉づかいになる。
「聞いたことないわね。」
「私も、そう言った物を遊ぶ都市でもありませんから。年の近そうな夢乃さんは。」
「私はゲームよりも体動かすほうが好きだし。」
「私も専らサバイバルゲームばかりですね。」
未だ名前を知らない男性にしても、知らない物であるらしい。
「その、謎解きが一つの目的、と言いますか。どこかに閉じ込められてて、こう、外に出るために色んな仕掛けや謎を解いて。」
「成程、そちらが主題であるなら。都合よく集まる、そう考えるのは危険ですか。」
「重複があるとしたら、27を上限とした場合0.2%くらいかしら。ちょっと試す気になれないわね。」
そうして鏡音さんがため息をつく。聞いただけで、どうやってそんな数字が出てきたのかもよく分からない。一応あれこれ数学で計算したことはあるが、どう計算式にすればいいのかも分からない。
「えっと、それってゲームとしてどうなんですか。」
「だからこそ、こうして試行回数が与えられて、話し合う機会もあるという事なのでしょうね。最低限の行動方針は欲しいわね。そうでなければ。」
「ええ、これに時間制限があるという事は。」
「あっちも無いと、そう考えるのはお気楽すぎでしょうね。」
どうしよう。言葉の意味は分かるけど、どうしてそうなるのかが良く分からない。夢乃さんも話についていけていない感じではあるけれど、正直彼女は興味がないだけ、そう見える。
今も鏡音さんと古満さんが色々と話しているのを、のんびりジュースを飲みながら聞いている。水之江さんは、所々で話に混ざっていっている。
そしてもう一人は、口を開きこそしないが、ただ集中して聞いてはいる、それはわかる。
「まぁ、手はそれしかないわね。」
「はい。」
「しかし、相応に広い場所です。聞いている限り活動開始までの時間差もあるように思えますし。」
「それについては、前回は気にしていなかったけど、今度は体感でも構わないから時間を気にするしかないでしょうね。なんにせよ、謎を解く以前に謎そのものを探さなければいけないし。」
「思えば、色々と操作用のコンソールがありましたが、時間表示が一般的にされる物にもされていませんでしたね。」
「それも分からないように、と言う事でしょうね。」
堂やらいろいろと話が進んでいるらしい。正直途中からは、何を話していたのか。聞いていたつもりだけど全く耳に入ってこなかった。なんというか、難しいし、理解しよう、そうしている間に既に次に進んでいる。
だけど、その3人で必要な確認が終わったのだろう。揃って口を止めて、改めて飲み物を飲んで、食事をしている。
ルールにあった飢餓状態、それがどの程度か分からないが、それを避けるためなんだろうけど。
「あ、お話終わりました。決まったことだけ教えてもらってもいいですか。」
「ええ、こちらばかりですみませんでした。とはいっても一先ずは、ルールの書かれたカード、この回収を目的としましょうというだけですね。先ほどと違って、こうして顔も併せました。いきなり切りつけてきたりなどは、無いでしょう。」
「いやー、それは分からないですよ。だって、私普段から人を斬りたいなんて考えていませんし。って、アレ。」
そして、そこまで話したところで、急に眠気に襲われる。周りを見れば、他の人もらしく、頭を抑えたり、振ったりしている。なんとなく、またあそこに。目を覚ませばいるのだろうなと、そんな事を思う。
ルール1
『参加者は5名である。』
僕が最初に手に入れたルール。この場には6人いた。じゃあ、ゲームに参加していない人は、一体誰だ。僕を殺した相手かと思っていたけれど。その人物もすぐに殺された。最後まで残った人か。
正直、まだ何もわからない。




