プロローグ
また懲りずに新作をアップしていきます。
お付き合いいただければ幸いです。
よろしくお願いします。
プロローグ
『夢中とは夢の中と書く』そんな言葉をとある有名人がドヤ顔で語っていたのを何となく覚えている。
確かにそうなのだろう。何かに夢中になっている間はそれこそ夢の中にいるように寝食を忘れてそれだけしか見えなくなるのだろう。
でも残念ながら夢はいつか覚める――必ずだ。
それがどんなに心地よい夢であっても関係なく、必ず現実と向き合うときはやってくる。
目を覚ました世界がとても輝かしいものであればそれは夢中になって青春をかけたことを誇らしく思うのだろう。
しかし世の中そんなにうまくいく話ばかりではない。
そんなに夢中になって、苦労して、努力して――それこそ青春をすべてかけて手に入れた能力が実際には何の価値もなかったなんてことはざらにある。
目を覚まして実は自分がただただ夢の中で時間を浪費していただけだったなどというケースはとてもあり触れたもので、そうやって青春を無駄にして価値のないものを手に入れてしまい、そのまま何も持たず社会に放り出された人間の悲惨さや惨めさは筆舌に尽くしがたいものがある。
この物語の登場人物は僕を含めてそんな青春時代にハズレを引いた可哀そうなやつばかりだけれど、それでもできるだけ希望を持って前向きな気持ちになれるように語っていきたいと思う。
――だって、青春時代に大ポカをやらかした僕たちにも未来はやってくるのだから。
この作品はラストまで毎日更新していく予定です。
よろしくお願いします。