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「キングオブステージ」

「おいお前、ちょっとそこまで、ついてこいこのハゲ」

「……いや、俺ハゲてねーし」


 私は目の前で行われてる具象が現実のものとは思えなかった。っていうか、あいつが私を助けてくれてる?なんで?


「俺は、女の涙は大嫌い。暗い未来。お前は死体、になる期待」

「……はぁ?」


 強引だ。強引に韻を踏んでるんだ。私は、さっきまでの陰鬱な気分は見事なまでに晴れていた。むしろ、楽しかった。


 この田中優一に会ってしまったことは人生最大級の絶望に襲われたけどそのおかげで今にいたるわけだから、この腐れ外道にも感謝したいぐらいだ。っていうか、マジで強引すぎて笑える。無理から韻を踏んでる。


 最近のHIPHOPは、韻を踏むことよりも伝えたいことを伝えるってことに重点が置かれるようになってたりするんだけどあくまで語尾ライムにこだわって、それも意味不明に韻を踏むこの男、DO-zか。


「とにかくどっか行けい。さもなくば死刑」


 田中は付き合ってらんねぇ、なんて捨てゼリフを残して去っていく。うわあ。見事なまでの捨てゼリフだ。


 ふと、私はDO-zと目があった。


 なんか言わないと!なんていえば!?ありがとう!?


 私が一人でパニックになってるとDO-zはふらりと歩いてしまった。


「あ、あの!」


 声を出したものの、届かなかったのか彼は行ってしまった。


 私は、迷う。


 せっかく、チャンスなのに。彼をもう一度見たくてここに来て……なんと彼にピンチを助けられて…このままでいいの!?YUKI!いいわけない!


 私は走った!


 なんで?


 わかんない。でもとにかく走った!


 そして……


 なんでだろう。なんでこんなことをしたのか全くわかんないんだけど……


 私は彼にタックルをしていた。

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