27話
「うにゅ………」
あぁ…何だか眠いな、そのせいで変な声も出ちゃったし。
「あっトールおはよう」
「おはよう、起きてたの?」
「んんう、今起きたとこ」
「じゃあ起こしちゃったか?」
「別に気にしなくていいよ」
「そう?」
「うん」
あぁやっぱり朝からこの甘いやりとり、癒されるなー。
そんなことを考えていると。
「ねぇトール?ミット帝国には今日から行くんでしょ?」
「うん、そうだね」
「じゃあさ、出来るだけ早く帰ってきてね?」
そう上目遣いで聞いてきた。
「う、うん」
萌えるー!萌えない方がおかしいだろ!?それにそんな事言われたら俺頑張っちゃうぞー!
「よし!じゃあルナ!神の力を使ってでも早く帰ってくる!」
「うん!頑張って!所で神の力って何?」
「ん?あぁ俺神になったんだよ」
「えぇ!」
「あれ?話してなかったっけ?」
「うん、話してないよ」
「あーそういえば話してなかったな」
「でも納得」
「え?どゆこと?」
「だってこの前進化した後から可愛さに加えて神々しさ?が出ててまさに女神って感じだったから」
「へー」
どうやらこの前進化した後から俺から神々しさが溢れてて、さながら女神の様だったらしい、だが俺は女神じゃなくて男神だからねっ!これだけは譲れません!
「じゃあ話はこれくらいにして行ってくるよ」
「うん、何度も言うようだけど出来るだけ早く帰ってきてね?」
「おう!」
そう行って俺は寮を飛び出した。よーし行くぞー!
「…………帝国ってどうやっていくんだっけ?」
いきなり躓いて早速叡智さんを頼る俺であった。
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叡智さんを頼った結果どうやら帝国は大陸中央に位置するアーガスト王国から馬車で2日程北の位置にあるらしい。
そうと分かればすぐに行ってすぐに解決してすぐ帰れば問題無いよね?無いはずだよね?じゃあさっそく変身!って、どちらかと言えば元に戻るだけだけど。
「にしても大きくなったなぁ」
転生したばかりの時は、1メートル程しか無かったが今回の進化で体長が15メートル程にもなっている。
「まぁとにかく善は急げだな」
よーし、久しぶりに本気を出すかな!フンッ!
ドンッ!
うぉっ!速っ!瞬間移動並みの移動速度とはこれ如何に。
ん?あれかな?ミット帝国は、と言うか馬車でも2日かかる道のりを数秒で移動できるとは神の力は恐ろしいな。
さて今回のミッションは──
・王女姉妹を手篭めにしようとするクズ皇子の社会的抹殺
・ルナへのお土産購入
だな。
よし!とっとと殺って帰るか!




