23話
俺は前世のことを思い出した。俺の名前は轟 徹((とどろきとおる))だ。そして歳は17歳で外見は人化した俺の髪を黒く染めた感じだ。まぁいわゆる男の娘だ…何故かと言うと俺の顔が女っぽいという理由から家族に美容に気をつけるように言われていたのでそうするのが当たり前だと思っていて、気づいたらもう男の娘だったからだ。そして俺の家族構成はごく普通の両親に15歳の妹の静香だ。そう、ここまではよかった。だが…
「うぅぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「ど!どうしたの!?」
ルナが何か言っているが分からない。俺はその後も叫び続けた…俺のせいで死んだ両親と妹を思い…………俺はある日いつも通り学校から帰ってきた、だがこの日はいつもとは違った。俺が帰ると知らない男と両親が口論をしていた。俺はそれが直ぐに強盗だとわかった、だが俺は怖くて動けなかった。そして両親が刺された…俺はこれを見ているしかなかった、情けない…ほんとに自分が情けなかった。だが悲劇は終わらない。なんとそこで妹も帰ってきてしまったのだ。俺は動かない体に鞭打って妹と逃げた。だが相手は大人の男だすぐに追いつかれた。そしてそのナイフをかかげ俺に振り下ろした時に妹が俺の身代わりになってナイフをその小さな体で受けていた。
「お兄ちゃんが無事ならよかった………」
それはもう泣いた。声が枯れるまで泣いた。だが俺は助かってしまった。警察が来て俺を保護してくれた、だが俺にはもう何も残っていなかった。そこで俺は親戚が居ないので孤児院に入った。そしてそのままただ無気力のまま過ごしあの日ふらりとよったコンビニで家族と同じように強盗に刺され俺も両親と妹のあとを追った…これが俺の前世だった。あまりにショックで泣いてしまったが泣きわめいてルナにすがり付く。そのおかげで俺は冷静になれて俺は強く生きようと思った。妹の分も…だから前世のことを全部ルナに話した。すると。
「私がトールの支えになります。そして辛い記憶を2人で乗り越えていきましょう」
「あぁありがとう…」
その言葉がただ嬉しかった。そして落ち着いて来た頃に俺はルナに覚悟を伝える意味で言った。
「ルナ、俺と結婚してくれ」
「え?勿論いいですよ」
「え?そんな簡単に?嫌々とかじゃ…」
「いいえ!むしろ嬉しいですよ!前に伝えたじゃないですか、私があなたの事が好きだって/////」
「ルナ!」
ガバッ
俺は余りの嬉しさに…そしていくら整理がついたとはいえこの胸が張り裂けそうな悲しみを隠すために…
「ルナ、その…してもいいか?」
「今は朝ですよ?」
「もうそんな時間か…だけど、いいか?」
「もう、仕方ない人ですね…クスッ」
俺はルナを本能のままに貪った。
「ンッ!アァ…アン!」
「アンッ!アァァァ」
「行くぞ」
「アァァァ来てくださいっ!」
「行くぞ!」
俺とルナはその後疲れて寝てしまった。
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side・転生神
あの後弟のトールが前世の記憶を思い出し辛い思いをしているのを見ているしかなかった。そんな自分が情けなかった。ただ弟が傷ついている姿を見ているしかないなんて…こんなの姉として自分の矜持が許さないのですっ!決めました!この後もう少しトールが落ち着いたら直接あってすべて話すのです!
「ふふふ…待っていてくださいね?もうすぐあなたの愛しのお姉ちゃんがあなたの心を癒しますからね…」
トールはまだ知らない…知らない間に転生神がブラコンのヤンデレ属性を取得したことを……




