15話
あの学園長との会話から五日たった。この5日間であったことといえば今までルナのことをいじめていた奴等からのイジメがなくなった。どうやら神獣と契約したことが響いているらしい。(俺はずっと人化状態で過ごしている)それに何故か男子生徒の何人かが俺のことを熱い視線を向けてくるのと数人の女子生徒が俺のことを見るとまるで可愛いものを見たようにキャーキャー言うのだ、何故だろう?まぁ一応ルナのイジメもなくなって学園生活もそっその夜の営みとかも…まぁ色々順調と言うわけだ!だが!
「ハァー面倒臭い。なんで俺が城なんかに…」
そう、今日は城に行く日なのだ。
「もぅそんな事言ってももう遅いよ」
「それもそうだな。諦めていくか」
それとルナも俺の契約者と言うことで参加する。
「そろそろ時間だしいくか」
「そうだね、行こ?」
そして俺達は城に向かって歩いていった。
******
「うわぁーやっぱり城でけー」
「それはそうでしょ?」
「まぁそうなんだけどね。とりあえず入ろうか?」
「うんそうだね、あそこが門だよ」
「よし、行くか」
実はあの後、王族の証と言える家紋の入った特別製の身分証を貰った。これを出せば王族に会えるらしい。
「おい身分証を見せなさい」
「はいこれどうぞ」
俺は素直に証明書を渡す。すると門番は慌てた様子で。
「っ!すぐに案内致します!」
「わかった」
俺達はすぐに謁見の間に案内された。
「それではルナ様トール様、お入りください」
そう言われたので俺とルナは謁見の間に入る。すると貴族?と思える人が沢山いた。
「ようこそおいでくださいました」
そう言って玉座に座っていたので王様だろう人が俺に跪いた。
「は?どゆこと?」
何故王が俺に跪くんだ?それに周りの貴族うるさいな。
「一国の王ともあろう者があんなただの学生ごときに跪くなんて!」
なんてことを貴族達が言っていると。
「皆のものには言ってなかったな。こちらの方は神獣のトール様とその契約者のルナ様である」
「なっ!何っ!神獣様にその契約者だと!」
「オーーー!まさかこの目で神獣様を見れるとは!」
…何言ってんの!?この王様なら大丈夫って言ってたのは嘘だったのかよ学園長!てか周りの貴族の評価変わりすぎだろ。それに俺と契約したからかルナまで敬われてる。
「神獣様とその契約者様、この度は私のような者にお会いさせて頂いて感激でございます!この私めは幼少の頃から神獣様に憧れていたのです!その夢がまさか叶うとは!なんと美しいお姿なんだ!まさに男性には見えませぬな!その中性的な美しさには危うさがあってさらに美しい!あぁーーーー!」
この王様イカれてやがる。これは普段は冷静な人だけど長年憧れた俺に会えたのが嬉しくて周りの貴族にも言っちゃったのかな?なんとも迷惑な話だな。まぁ顔を見せることは出来たんだからここら辺でこちらの用事を済ますか。
「王様、お願いがあります」
「おぉ!何でも言って下され!」
「じゃあ貴重な魔術書とかありませんか?あったら見せて欲しいんだけど」
「あぁ!ありますとも!しかしその魔術書を読んでも誰も解読できないものなんですが大丈夫でしょうか?」
「えぇもちろんです」
「ではこのあと案内をさせますので」
「わかった」
よし!この王様がチョロくて助かった。それと魔術書はこの間学校の授業で魔術書を読むと特殊な魔法系スキルか本当に特殊な場合はユニークスキルがつく。まぁその事は今はほっておこう。
「それとこちらの話を聞いてもらえますか?」
「ん?あぁいいぞ」
「実はもしこの国に危機が訪れた場合には対処していただきたいのですが」
「いいぞ、ただし戦争関連は俺は手を出さないがな」
「ほっ本当ですか!?それでも十分です」
どうやらそれでいいらしい。
「なぁ、もう話がないなら魔術書まで早く案内してくれない?」
「はい!分かりました!おい!謁見は終了だ!それと侍女をここに連れてきてルナ様とトール様を案内させろ!これで宜しいでしょうか?」
「あぁうん。それと名前聞いてなかったね」
「申し遅れました。私はアーガスト王国国王アルベルト・フォン・アーガストと申します」
「そうか、じゃあまたな」
「はいいつでもお待ちしております」
そして俺は謁見の間を出た。




