12話
チュンチュンッ
「これが朝チュンか…」
「ん?んぅ…」
バカなことを言っているとルナが起きたようだ。
「おはよう」
「んっおはよう」
昨日の夜の語りでルナの口調が少し軽くなった。
「トール朝食食べに行こ?」
「そうだね行こうか」
******
食堂に入ると全員がこちらを見てなにやらヒソヒソしている。しかしこちらは昨日の夜の件で寝不足気味なのだ。
「トールはなに食べる?」
「まだ眠いから軽めのもので」
「わかった席とっておいてね」
「うん」
そしてルナは朝食を取りに、俺は席をとって待っていた。しかし周りの生徒がなにかこちらを見ながら話している。うんなんか落ち着かないな。
「トール〜持ってきたよ」
「ん、ありがとう」
2人での朝食、いいな。
「ねぇトール?なんか周りがこっちを見てるんだけどどうかしたの?」
どこか眠そうなルナが聞いてくる。
「さぁわからない、来た時からこんなんだったよ」
「ふーん」
それから眠いので二人で黙って朝食をとっていると。
「おい!ここに学園のものでない人間を連れ込んでいるのは誰だ!」
と、大声で入ってくる人物がいた。
「先生!ルナさんですっ!」
と、1人の生徒が叫んだ。へ〜あの人先生なんだ見た目20代前半に見えるのにな〜…へ?そこでなんでルナの名前が出てくるんだ?
「おいルナ?その子は誰かな?」
先生がルナに話しかけた。
「え?トールのことですか?私の使い魔ですけど」
「は?何を言っているんだ、ついに頭がいかれたか?」
「え?俺ルナの使い魔ですよほんとに」
「そんなわけないだろ、君は人の姿をしているじゃないか。それに俺?君は女の子なんだからもっとお淑やかにしなさい」
「イヤイヤイヤ、俺は男ですって。それにただ人化してるだけなんでちゃんとした使い魔ですよ?」
「男?そんなはずは………」
そうそう俺は人化してるだけで元は狼でルナの使い魔だからな。
「ん?人化?…あぁ!」
「どうしたの?トール」
叫んだ俺に眠たそうに聞いてきた。
「そういえば俺人化解いてなかった!」
「あっ!」
やっとルナも気づいたようだ。青い顔をして震えている。
「本当なのか?」
先生が聞いてくる。だがルナはまだ震えているので俺が諦めて全部話すことにした。
「はい本当です。今から人化を解きます。」
そして俺は狼の姿に戻った。すると周りの生徒や先生がみんな畏怖のこもった目で見てくる。…なんでだろう?
「ま、まさか人化とは…ではあなたは龍種ではないので神獣様なのですか?」
先生が代表して聞いてくる。
「そうだ」
「っ!なっならばなぜこんなところにおいでになさったのですか?」
「ん?ルナの使い魔になったって言ったじゃん」
「は?…なぜルナなのです?」
「助けたかったから」
そう言ったら驚かれた、まぁいいけどね。
「しかしとりあえず学園長には合っていただいて話してくださいませ」
「分かった」
「では案内します。ですができれば人化をしていただけませんか?」
「たしかに人間の姿で話した方がいいな」
「ご配慮感謝致します」
「さっきから思ったんだけど何故敬語?」
「神獣様なので」
「普通に話してくれない?堅苦しいのは好きじゃないんだ。それに今俺はルナのただの使い魔だしね」
「………わかったこれでいいか?」
「おぉ断然話しやすいな」
「そうか?まぁとりあえず学園長のところまで案内するぞ?」
「あぁ分かった。じゃあ行くか」
「こっちだ」
まだ顔の青いルナを連れて学園長室に向かった。
ルナの口調をちょっと軽くしてみました。どうでしょう?悪かったら変更ってことでいいですよねw




