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『シクシク』の解明のために、腹を開かれそうです

掲載日:2026/10/25

アメブロで投稿した小説を、AIで推敲して、少し書き直してます。

1260文字のショートストーリー。サクッと読んでいただければ幸いです。

「次の方どうぞー」


 ナースに呼ばれて、男が診察室に入ってきた。


「どうされました?」

 医師が尋ねる。


「はぁ、昨日からお腹が痛いんです」

「下痢は?」

「ありません」

「どこが痛みますか?」

「ここらへんです」


 男は右のわき腹を押さえた。


「どのように痛みますか?」

「どのように?」

「ほら、あるでしょう。ズキズキとか、ガンガンとか」

「それ、頭痛の時に使うやつじゃないですか?」

「そうですねぇ。でも、言ってもらわないと伝わりません」


 腹の痛みにつく擬音を、男は必死に考えた。


「あえて言うなら……シクシク、でしょうか」

「シクシクですか?」

「ええ、シクシクです」

「それはどんな痛みですか?」

「えーっと……シクシクです」

「その『シクシク』が分かりません」


 男は再び頭を悩ませた。


「じゃあ……ガキガキ、でしょうか」

「ガキガキ?」

「ええ。よく分かりませんが、ガキガキという感じです」

「関節痛か筋肉痛のような感じでしょうか?」

「いえ、違います」

「それでは、ガキガキというのはどんな痛みでしょう?」


 なんだこの医者は……

 男は内心で毒づきながら、再び考えを巡らせた。


「やっぱり……シクシクですかねぇ」

「シクシクですか」

「……どんな痛みか、分からないんですよね?」

「ええ、分かりません」

「私も、なんて言えばいいか分かりません」


 しばらく重い沈黙が続いた後、医師がポンと手を打った。


「それでは、お腹を開いてみましょう」

「……はい?」

「その辺は盲腸のあたりです。開いてみれば『シクシク』の意味も分かるかもしれません」

「いやいやちょっと待ってください!」

「どうしました?」

「検査もなしですか!?」

「手遅れになったら困ります。シクシク痛むのでしょう?」


 いきなり開腹手術など溜(たま)まったものではない。男は慌てて反論した。


「痛みの種類って、そんなに関係あります!?」

「大いにあります! 貴方はシクシクと言った!シクシクの意味が解明されれば、今後の医療の発展に大きく貢献できます! さぁ、同意書にサインを!」


 見れば、いつの間にかナースがバインダーに挟まれた同意書とペンをぬっと差し出していた。背後からガラガラとストレッチャーを動かす音が聞こえてくる。


 男は焦った。


「いやいや、サインなんか出来ませんって!」

「何故です?」

「何故ってあなた……検査とか色々あるでしょう! ほら、レントゲン撮るとか!」

「レントゲンを撮りたいんですか?」

「あなたが急にお腹を切ろうとしてるからです!」

「中を見てみないと分からないじゃないですか」

「そうかもしれませんが……っ痛たたたた!」


 男は腹を押さえてうずくまった。医師が身を乗り出して尋ねる。


「どのように痛みますか!?」

「だ・か・ら……シクシクです!」


 医師は腕を組み、うーんと深く唸った。


「うーん……とりあえず、入院しますか?」

「いえ、帰らせていただきます」

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