『シクシク』の解明のために、腹を開かれそうです
アメブロで投稿した小説を、AIで推敲して、少し書き直してます。
1260文字のショートストーリー。サクッと読んでいただければ幸いです。
「次の方どうぞー」
ナースに呼ばれて、男が診察室に入ってきた。
「どうされました?」
医師が尋ねる。
「はぁ、昨日からお腹が痛いんです」
「下痢は?」
「ありません」
「どこが痛みますか?」
「ここらへんです」
男は右のわき腹を押さえた。
「どのように痛みますか?」
「どのように?」
「ほら、あるでしょう。ズキズキとか、ガンガンとか」
「それ、頭痛の時に使うやつじゃないですか?」
「そうですねぇ。でも、言ってもらわないと伝わりません」
腹の痛みにつく擬音を、男は必死に考えた。
「あえて言うなら……シクシク、でしょうか」
「シクシクですか?」
「ええ、シクシクです」
「それはどんな痛みですか?」
「えーっと……シクシクです」
「その『シクシク』が分かりません」
男は再び頭を悩ませた。
「じゃあ……ガキガキ、でしょうか」
「ガキガキ?」
「ええ。よく分かりませんが、ガキガキという感じです」
「関節痛か筋肉痛のような感じでしょうか?」
「いえ、違います」
「それでは、ガキガキというのはどんな痛みでしょう?」
なんだこの医者は……
男は内心で毒づきながら、再び考えを巡らせた。
「やっぱり……シクシクですかねぇ」
「シクシクですか」
「……どんな痛みか、分からないんですよね?」
「ええ、分かりません」
「私も、なんて言えばいいか分かりません」
しばらく重い沈黙が続いた後、医師がポンと手を打った。
「それでは、お腹を開いてみましょう」
「……はい?」
「その辺は盲腸のあたりです。開いてみれば『シクシク』の意味も分かるかもしれません」
「いやいやちょっと待ってください!」
「どうしました?」
「検査もなしですか!?」
「手遅れになったら困ります。シクシク痛むのでしょう?」
いきなり開腹手術など溜まったものではない。男は慌てて反論した。
「痛みの種類って、そんなに関係あります!?」
「大いにあります! 貴方はシクシクと言った!シクシクの意味が解明されれば、今後の医療の発展に大きく貢献できます! さぁ、同意書にサインを!」
見れば、いつの間にかナースがバインダーに挟まれた同意書とペンをぬっと差し出していた。背後からガラガラとストレッチャーを動かす音が聞こえてくる。
男は焦った。
「いやいや、サインなんか出来ませんって!」
「何故です?」
「何故ってあなた……検査とか色々あるでしょう! ほら、レントゲン撮るとか!」
「レントゲンを撮りたいんですか?」
「あなたが急にお腹を切ろうとしてるからです!」
「中を見てみないと分からないじゃないですか」
「そうかもしれませんが……っ痛たたたた!」
男は腹を押さえてうずくまった。医師が身を乗り出して尋ねる。
「どのように痛みますか!?」
「だ・か・ら……シクシクです!」
医師は腕を組み、うーんと深く唸った。
「うーん……とりあえず、入院しますか?」
「いえ、帰らせていただきます」




