第18話 「継承」~透明なものの行き先~
描線眼鏡シリーズ第3部完結編
『描線眼鏡 または終末の情熱』
観測は終末を告げ、監視は優しく首を締める。それでも創作で現実と戦う
終末を超える鍵はあなたの中にある。
「小説家になろう」では毎週水曜・日曜の21:30更新予定です。
十二月も半ばを過ぎた鯖江市は、空そのものが薄い灰色の布をかぶせられたみたいだった。
陽は出ているはずなのに光は弱く、庭の木々の先端に残った冬の湿り気だけが、かすかな白さを抱いている。
中心から少し外れた丘の中腹に建つ谷保家の屋敷は、その曇天の下で静かに大きかった。和館の落ち着いた瓦屋根と、奥に繋がる洋館の窓枠、そのさらに脇に伸びた工房棟。その瀟洒な佇まいが今日だけは息を潜めているように見える。
玄関から奥へ入ると、暖房の乾いた熱に混じって、工房から流れてきた研磨剤と油の匂いがまだかすかに残っていた。障子越しの明るさは薄く、部屋の隅に置かれた古い木箱や、磨き布の白さだけが妙にくっきり浮いて見えた。
家の中では皆、必要なことしか喋らない。茶を替える音、戸を静かに閉める音、足音を殺して歩く気配。その全部が、もう長くないことを知っている者たちの動きだった。
床を整えた一室で、谷保三郎は浅く呼吸をしていた。意識はまだある。だが、その呼吸の細さは、外の冬空よりもはっきり「終わりかけている」ことを示していた。
枕元には老眼鏡、読みかけの紙片、使い込まれた布、そして古い工具箱。誰かが片づけようと思えば片づけられるはずの物たちが、そのまま残されている。企業人の部屋というより、今日まで眼鏡を使い、磨いていた人の部屋だった。
息子である四郎は部屋の出入りを繰り返していた。電話を切る指先だけが少し硬い。
孫である五郎は祖父のそばにいようとするたび、端末へ落ちる視線を止めきれなかった。
曾孫の六郎は工房と部屋のあいだを小さく行き来していた。何かを手伝いたいのに、何をしていいのかはまだ分からないらしかった。
部屋の空気は静かだった。泣き声も、取り乱した声もない。ただ、時間だけが少しずつ偏っていく。三郎の呼吸が一つ浅くなるたびに、家の中の音の重みまで変わる気がした。工房に残ったレンズの冷たい光、廊下の先の曇りガラス、湯呑みから上がるもう薄くなった湯気。家そのものが、この人の人生を抱えたまま、最後の時間を受け止めている。
やがて、三郎がうっすらと目を開けた。焦点はすぐには合わない。それでも、誰かを探すように視線だけがわずかに動く。四郎が身を寄せ、五郎も息を止めた。六郎は工房から持ってきた白い布を胸の前で握ったまま、動けずに立ち尽くしている。
六郎の母であるカナも四郎の連れ合いも、声を挟まずその場を見守っていた。
三郎の唇が、何かの形を作ろうとして、かすかに震えた。
四郎はすぐに顔を寄せた。枕元の空気は薄く、冬の乾いた熱の中に、薬と紙の匂いが静かに混じっている。三郎の唇は何度か息だけを漏らし、それからようやく、擦れるような声を作った。
「あれを……人を脅すものに、するな」
途切れがちな声だった。だが四郎には、それで足りたのかもしれない。何の話かを問い返さなくても、父が指しているものが眼鏡であり、その眼鏡が科学者の贖罪から始まり、漫画家達と三郎自身も含めた職人達の重い願いの延長であったことを、四郎も分かってはいた。喉仏が一度だけ動き、しかし返事は短かった。
「……分かってる」
三郎は小さく目を閉じ、今度は五郎の方へ視線を滑らせた。五郎が膝を寄せる。祖父の瞳にはもう若いころの鋭さはない。それでも、見てきた人間だけが持つ深い焦点だけは残っていた。
「お前は……見すぎる」
それは咎める声ではなかった。事実を言うみたいな、乾いた響きだった。五郎は思わず笑いかけ、それが笑いにならないまま口元で止まる。三郎はその気配ごと見透かしたように、ほんの少しだけ息を継いだ。
「……だが、見ろ」
矛盾している。けれど祖父らしい、と五郎は思った。見すぎるな、でも見ていろ。苦しいことから目を逸らすな、でも飲まれすぎるな。そのどちらも、たしかに祖父は自分へ渡そうとしている。五郎は声を出せず、ただ一度だけ頷いた。
六郎は呼ばれなくても、もう枕元の近くまで来ていた。手には小さな布包みがある。工房からそのまま持ってきたものだとすぐ分かった。三郎の目がその包みに落ちる。六郎は慌てて両手で包みを開きかけ、それから途中で止めた。中には、未装着の小さなレンズが二枚、薄い紙に挟まれている。
「まだ……途中やけど」
六郎の声は、子どもらしく高いまま少し掠れていた。
「でも、ちゃんと……磨いた」
三郎の表情が、ごくわずかにやわらいだ。言葉というより、その変化だけで十分だった。完成品だけが仕事じゃないこと。途中まで手を入れたものにも、確かに残る時間があること。六郎はたぶん、まだ全部は理解していない。それでも、曾祖父と一緒に磨いたその手の記憶だけは、自分の中に残るのだと分かる顔をしていた。
しばらくして、呼吸の間が長くなった。部屋の中の誰も動かなかった。暖房の低い作動音、障子の外で風に擦れる枝、廊下の向こうで誰かがそっと立ち止まる気配。家の中の音だけが妙に近い。三郎の胸が一度、浅く上下する。それから次の呼吸が、来るまでに少し時間がかかった。
そのまま、家の温度が一段だけ変わったような静けさが降りた。
誰もすぐには声を出さない。四郎は父の額へ手を置き、五郎は視線を落としたまま動けずにいた。六郎は白い布ごとレンズを握りしめ、初めて何が終わったのかを遅れて知った顔で立ち尽くしている。泣き声はまだない。ただ、続いていたはずの作業が突然なくなった工房のような、空白だけが部屋の中央に残った。
場を見守っていた掛かり付けの医師の宣告から、現実的な処理が容赦なく始まる。
連絡、確認、日程、対外対応。四郎が電話を取り、五郎もようやく端末へ手を伸ばす。しばらく画面を見たまま、文面を選ぶように指を止め、それから短いメッセージを打った。
《祖父が亡くなりました。通夜と葬儀を鯖江で行います。来ていただけるようでしたら、祖父も喜ぶと思います》
送り先は戸隠キズナ。家族としてではない。けれど、ただの弔問客でもない。五郎は送信を押したあと、暗くなった画面に自分の顔が薄く映るのをしばらく見ていた。世界の危機を知らせる文面と、ひとりの老人の死を知らせる文面が、同じ手の中から出ていく。その重さの違いを、今はまだうまく分けられなかった。
*
五郎からの連絡が届いたとき、キズナは自宅に戻っていた。それでも広げてしまっていた机の上の原稿から、しばらく視線を上げられなかった。
通知音は小さかったのに、部屋の空気を切るには十分だった。住宅街の自室は昼を少し過ぎたばかりで、冬の光がカーテン越しに薄く差し、ストーブの熱で乾いた紙の匂いがふわりと浮いている。
画面に並んだ短い文面は、余計な感傷を持ち込まないぶんだけ重かった。祖父が亡くなりました。通夜と葬儀を鯖江で行います。来ていただけるなら、祖父も喜ぶと思います。キズナはその文字を一度読んで、もう一度読み、三度目でようやく意味が胸の奥へ落ちた。
間に合わなかった、とは思わなかった。そういう後悔に走るには、あまりにも文面が静かすぎた。呼ばれているのは最期に立ち会うためではなく、もう見送るためだ。そのことだけがはっきり分かった。キズナは端末を伏せ、数秒だけ両手を机に置いたまま呼吸を整える。それから、まず荻野清香へ連絡を入れた。
呼び出し音は長く鳴らなかった。祖母の声はいつも通り低く落ち着いていたが、その底にだけ、古い木目のような細かな揺れがあった。
「……連絡、来た?」
「うん。五郎さんから」
「そう」
それだけで、一度言葉が切れる。遠くで風が何かを鳴らす音がした。昨夏訪れた時とは違う、郊外の家の、冬の午後の湿り気まで、電話越しに伝わる気がする。
「行きなさい」
荻野は短く言った。
「ちゃんと送ってきなさい。あの人は、あなたが来るのを嫌がらない」
「……うん」
「鯖江で合流しましょう。こちらは飛行機で行くんで。駅か、バスのところで。遅れないようにしなさいよ」
叱るような言い方にして、ようやく声が少しだけ日常へ戻る。その小さな工夫がありがたかった。キズナは通話を切ってから、ようやく立ち上がる。
母に事情を説明して祖母と福井に向かう事を告げ、着替えや鞄を用意する。手は動いているのに、頭の芯だけが少し遠い。
*
ケンにだけ福井行きを告げ、後事を託し東京駅へ向かう。乗り換えの順番を確認するたび、現実が一本ずつ身体の中へ引かれていく。
北陸新幹線に乗り込み福井を目指す。
移動中スマホには断続的に通知が入った。設備トラブル、交通障害、原因不明の事故、運行の遅れ。東京駅の人波は師走らしい慌ただしさを見せていたのに、モニターの下を流れるテロップには、どこかで何かが少しずつ噛み合わなくなっている文言が続く。
別のニュース欄には、YAHO会長・谷保三郎逝去、後日社葬予定、とあった。社会の文面は簡潔で、名前は大きい。けれどキズナの胸に沈んでいたのは、会長でも企業人でもなく、工房の奥で老眼鏡をかけ、レンズに冬の光を透かしていた老人の方だった。
福井で乗り継いで、鯖江へ着いた頃には、もう空は夕方の色を越えていた。駅前の風は冷たく、吐いた息が白く短い。ロータリーの灯りの向こうに、先に着いていた荻野の姿が見える。厚手のコートの襟を立て、いつもより少しだけ小さく見えた。隣には、見覚えのある影がある。笹崎花子だった。
長く行き来のあった間柄ではないはずなのに、その夜の笹崎は会長としてではなく、荻野と同じ古い時間の側に立っているように見えた。
タクシーに乗り込み、谷保家へ向かう。車窓の外を流れる鯖江の町は静かだった。だが町の静けさとは別に、キズナの中では何かが少しずつ位置を変えていく。
家族ではない。けれど、ただの弔問でもない。自分は今、見送るために、そして受け取り始めるために呼ばれているのかもしれない。その感覚だけが、夜の冷気よりも深く胸の底へ沈んでいった。
タクシーが谷保家の門前で止まる。屋敷の窓からは暖かな灯りが漏れ、冬の空気の中に白く揺れていた。キズナは一度だけ深く息を吸い、荻野の後に続いて車を降りた。
*
通夜の場は、会館の整わされた静けさではなく、住まいの中にだけ残る柔らかな沈黙で満たされていた。
想像していたような居並ぶ大きな花環も、列をなす参列者も無い。道中のニュースで見た通り、大企業の会長としての顔は東京に置いたままだったのだろう。
谷保家の和室には白い花が控えめに置かれ、香の匂いが障子紙の乾いた匂いと混じって薄く漂っている。外の曇天はもう夜へ沈み、庭石の輪郭も灯りの外では曖昧だった。弔問に来ているのは本当に近しい者だけだ。家族の低い声、湯呑みの触れ合う音、誰かが静かに座布団を直す衣擦れ。その全部が、この家で長く眼鏡を磨いてきた人を、家のままで送ろうとしている音に聞こえた。
キズナは部屋の入口で一瞬だけ足を止めた。来ていい場所なのか、まだ身体が決めきれない。たった二度しか会っていない自分が、この席に上がっていいのかと視線だけが室内を彷徨った。
「来なさい」
先に声を掛けたのは荻野だった。低く、しかし迷いのない声だった。彼女は畳の上に座ったまま、キズナへほんの少しだけ顎を引いて見せる。
「私も家の人ではないけど、来るべき人ではあるでしょう」
その言葉で、部屋の空気が少しだけキズナを受け入れる形に動いた気がした。キズナは小さく頭を下げて中へ入り、荻野の少し後ろに座る。ほどなく笹崎花子もこちらへ視線を向けた。喪服の黒は静かで、会長として人前に立つ時の強い輪郭とは違う。もっと長い時間を知っている人間の顔だった。
「あなたは、あの人に近い仕事を受ける側よ」
笹崎は言った。
「ここにいる理由は、もう分かっているでしょう」
強い言い方ではない。だが、逃げ場のない温度を持っていた。キズナは返事をしなかった。できなかった、と言った方が近い。分かっているのかもしれない。でも、それを自分の口で認めるにはまだ重い。視線を落とすと、畳の目に冬の灯りが細く滲んでいる。受け取る側。そう呼ばれた瞬間、弔問客としての遠慮とは別の重さが胸の中へ落ちた。
通夜は淡々と進んだ。四郎は静かな声で応対し、五郎は必要な時だけ立ち、六郎は大人たちの動きに遅れないよう必死でついて回っている。時折、四郎の端末が短く震えた。社葬準備、会社対応、報道確認。遠くのニュースでは「YAHO会長・谷保三郎」の名が繰り返されているのだろう。だがこの場で見送られているのは、企業人でも会長でもなく、工房の光の中でレンズを傾けていた一人の老人だった。
その違いがはっきり見えるからこそ、キズナはこの家の静けさを余計に強く感じた。
荻野と笹崎の視線が、一度だけ短く交差した。そこには長い説明も昔語りもない。ただ、過去の危機を知る者同士にしか分からない種類の重みだけがあった。
その視線のあいだに、昔と同じでは済まない何かだけが沈んでいた。
通夜が終わるころには、家の中の灯りはさらに落ち着いた色になっていた。人が少しずつ引き、襖の向こうで片づけの気配が始まる。外は冷え込み、明日の火葬へ向けた段取りが静かに進んでいた。六郎が廊下の先、工房のある方をちらりと見たのを、キズナは見逃さなかった。そこには、まだ誰にも片づけられていない何かが残っている。そう思った瞬間、キズナの胸の中で、受け取るという言葉がさらに重さを増した。
通夜振舞いに形だけ箸をつけ、その晩は宿を取り祖母と過ごした。
清香は三郎・四郎との出会いや笹崎会長の事を口に出したが、その言葉は少なかった。
あまり遅くならずに床についた。何かしら作業をと思いタブレットを持ち込んではいたものの、触れる気にはなれなかった。
*
翌朝、告別式の席に再び谷保邸を訪れる。
読経が終わり、皆で花を手向け、身内の手で最後に棺の蓋が閉じられる。家族葬は静かに進み、泣き崩れる声も、誰かを慰める大きな言葉もない。
屋敷に付けられた霊柩車の扉が閉まり、車列が厳かに進み出す。
鯖江の火葬場は谷保邸から程近く、小高い山のすぐ裏手にあった。
白い息が短く伸びてはすぐに消え、吐き出した言葉まで一緒に薄くなる。空は相変わらず曇っていて、建物の壁も、手すりの金属も、骨壺を受け取る手の甲まで冷たく乾いて見えた。
棺が運ばれ、扉が閉まり、待つ時間があり、戻ってきたものを迎える手順だけが淡々と続く。死はその瞬間よりも、こうした順序の中で少しずつ現実になっていくのだと、キズナは骨を拾う人々の指先を見ながら思った。
四郎は最後まで姿勢を崩さなかった。五郎は黙って動き、六郎は大人の動きを真似るみたいに、しかし一つひとつを遅れまいとしていた。荻野も笹崎も余計なことは言わない。
けれど、この場にいる全員が、同じ一人をそれぞれ違う時間の長さで見送っていることだけは分かった。キズナは家族の輪の外側にいながら、最後までその場を離れなかった。離れてはいけない気がした。
谷保家へ戻る頃には、冬の日差しがほんの少しだけ雲の向こうで薄くなっていた。人は減り、声もさらに小さくなる。片づけの気配が家の奥へ沈んでいく中で、五郎がキズナへ短く声をかけた。
「少し、工房へ」
私邸の横に設けられた、病院の処置室を改装したというその工房の空気は、以前訪れた時と同様に居間や座敷とは違う静けさを持っていた。
磨き粉と金属と木の匂い。机の上には使い込まれた布と、小さなケースが置かれている。そこへ六郎が来て、少し迷うように立ち止まり、それから両手で抱えるようにして小さな包みを差し出した。
「これ……曾祖父と一緒に磨いたんです」
声はまだ子どもっぽかったが、その手つきだけは妙に丁寧だった。包みの中には、薄い紙に挟まれた未装着のレンズがある。完成品ではない。縁の処理もまだ途中で、光の返り方も少しだけ粗い。けれど、その不完全さの中に、誰かと一緒に手を動かした時間だけは確かに残っていた。
「途中までだけど」
六郎は続ける。
「でも、じいじいちゃんはちゃんと見てたんです」
キズナはすぐには手を出せなかった。自分が受け取っていいものなのか、まだ身体のどこかが躊躇している。すると五郎が、工房の机へ視線を落としたまま静かに言った。
「祖父は、あなたが来た時にずいぶん喜んでいて。前に立つ人ほど眼鏡を割るからって、六郎にレンズを磨かせてたんです。……直接言われたわけじゃない。けど、持っていてほしいと思う」
そこで一度だけ息を継ぐ。
「見えることを、預かる側として」
その言葉で、レンズはただの形見ではなくなった。六郎の手の時間、三郎の視線、五郎の判断、その全部が小さな透明の中に折り重なって、キズナの方へ差し出されている。キズナはようやく両手を伸ばし、壊れものを受け取るときみたいに慎重にそれを受けた。
レンズを少し持ち上げると、冬の弱い光がそこへ透けた。透明な円の中に、工房の机の木目、磨き布の白さ、窓辺の曇った明るさが歪んで映る。何かが終わったのだと思う。同時に、何かがこちら側へ渡ってきてしまったのだとも思う。
外では遠くサイレンが鳴り、どこかで車の音が擦れていく。世界はまだ崩れ続けている。YAHO会長の社葬も、協会の危機も、たぶんもう止まらない。それでもこの工房の中では、ひとつの死がようやく形を取り、ひとつの継承が静かに始まっていた。
キズナはレンズをケースへ戻さず、しばらく掌の上でそのまま光に透かしていた。透明なものの行き先は、まだ誰にも分からない。ただ、その重さだけは、目には見えないまま、たしかに手の中へ移っていた。
今回は実際“眼鏡の町”でもある福井県鯖江市で、代々物語の中の“眼鏡”に携わってきた谷保家を舞台に、老職人の死と、その後に残された者たちの手で起こる“継承”を描いています。
大きな危機が進んでいる最中でも、人は老い、死に、そして何かを次へ渡していく。その静かな重みを意識して書いた回です。
第1部第17話「眼鏡」~透明なものの記憶~ と対をなすような位置づけを意識しました。
派手な回ではありませんが、第4章から第5章へ向かううえで大切な話になったと思っています。
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