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第9話:友情と涙の瞬間

翌朝、学園の中庭には静かな光が差し込んでいた。光はベンチに座り、昨日のドッキリ大作戦を思い返していた。笑いあり、赤面あり、そして少しのハプニング。胸の奥にぽっかりと温かい余韻が残る。


「光、ここ座っていい?」真琴が隣に座った。浴衣ではなく、ラフな夏服姿。肩までの茶髪が少し汗でまとまり、くすくす笑いながら水筒を差し出す。


「ありがとう」光は微笑む。

「昨日は楽しかったね。ドッキリも、混乱も…全部」真琴の声には少しのはにかみが混じっている。


ふと、凛が少し離れた場所からこちらを見つめる。黒髪を肩にかけ、顔は冷静だが瞳には微かな柔らかさがある。光が思わず声をかけると、凛は小さく頷き、目をそらす。普段見せない表情を垣間見た瞬間、光の胸にじんわりと温かさが広がった。


陽翔もやってきて、木陰に座る光たちの輪に加わる。

「みんな、昨日はよく頑張ったね」

その穏やかな笑顔に、光は思わず力が抜ける。友情の重みを、こうして日常の中で感じる瞬間があるのだと気づく。


その時、雪乃が静かに歩み寄る。手には小さな封筒を持っていた。無言で差し出すその仕草に、光は少し戸惑う。封筒の中には、雪乃が密かに書き溜めていた、仲間たちへの短いメッセージが入っていた。


「ありがとう…」光は小声でつぶやき、胸の奥が熱くなる。雪乃は微笑まず、ただそっとベンチに座り、周囲を見つめる。その静かさが、逆に心に深く響いた。


その瞬間、真琴が小さく手を握り、顔を赤らめながら言った。

「光…昨日のことで、ちょっと言いたいことがあるんだけど…」

光は心臓が跳ねるのを感じながら、真琴の言葉を待つ。友情と少しの恋心、そしてドッキリや笑いの余韻が一気に交錯する瞬間だった。


陽翔はそっと笑みを浮かべ、颯も少し微笑みながら背筋を伸ばす。凛はまだ顔を赤らめたまま目をそらし、雪乃は静かにその輪を見守る。


光は胸の奥でつぶやく。

「友情って、笑いだけじゃなく、こういう瞬間もあるんだな…」


木漏れ日の中で、笑い声と少しの涙、心の温かさが混ざり合い、夏の学園は今日も特別な一日を迎えていた。


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