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第11話:ライバルとの距離

翌朝、光は校庭のベンチに座り、少しぼんやりと空を眺めていた。昨日までの笑いとドッキリ、そして仲間たちの秘密の片鱗を思い返し、胸の中に小さなざわめきが残っている。


「おはよう、光」

颯の声に振り返ると、颯が少し離れた場所で立っていた。短めの黒髪と鋭い目つきは相変わらずだが、今日の颯はどこか柔らかさを帯びている。


「おはよう…」光は少し戸惑いながら答える。

「昨日のドッキリ、面白かったな。お前、なかなか手強い」

颯は小さく笑みを浮かべ、光の目を真っ直ぐに見つめる。その視線に、光は胸が少し高鳴る。


「でも…今日は負けないからな」光も微笑むが、心の奥で少し緊張している自分に気づく。友情とライバル心が、微妙に交錯している瞬間だ。


その時、真琴が後ろから声をかける。

「ふふ、二人ともいい雰囲気ね。見てるだけで楽しいわ」

肩までの茶髪を揺らしながら、小悪魔的な笑みを浮かべる真琴に、光は思わず赤面する。颯もわずかに目を細め、微笑む。


凛は少し離れた位置から二人を観察している。普段は冷静で距離を置く凛だが、光と颯のやり取りに微妙な関心を示している様子が、光の心に少し刺激を与える。


陽翔は笑顔で二人の様子を見守る。

「二人とも、焦らず楽しめばいい」

その言葉に、光は少し力が抜け、自然と笑顔がこぼれる。


校庭の端では雪乃が静かに立ち、二人の距離を見守る。無言だが、その存在感は確かで、光は雪乃の視線を感じながら、心の中に小さな緊張と安心を同時に覚える。


昼休み、光と颯は少し離れた場所で簡単な勝負ごとをすることになった。ルールは簡単、紙飛行機を的に当てるだけ。しかし、二人の間には自然と競争心が漂う。


光が紙飛行機を投げる。颯も同じ瞬間に投げる。的に当たるタイミング、飛び方、距離感――すべてが微妙に競り合う。互いに目を合わせ、わずかに笑みを浮かべる。


「……お前、結構強いな」

颯の言葉に、光は少し照れながらも心の奥で嬉しさを感じる。友情と競争心、そして少しの恋心の予感が、自然に混ざり合う瞬間だった。


放課後、光はベンチに一人座り、今日の出来事を思い返す。

「ライバルって、ちょっと面倒だけど…悪くないな」

胸の奥に少し温かいものを感じながら、光は夕日に染まる学園を見つめた。


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