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其は聖譚曲にして狂想曲  作者: 犬野ミケ
物種 二章
7/9

知覚にして浅薄

 ――――――もう、酷いですよ。貴方という人は、まったく!

 ――――――どうせ、舎人子なんて、良い意味の言葉ではないのでしょう?

 ――――――いえ、私はこちらの文化には疎いので、良くは知りませんけど。


 ――――――はへぇ!? 貴方も知らないのですか! 知らないで使っておられたのですか。

 ――――――ふふーむ、ふーむむむむ……馬鹿でいらっしゃるのですね。

 ――――――ふふふーむむん……むむむ……。


 ――――――なんて唸ってみても解らない物は解りませんっ。

 ――――――という訳で、お役立ちアイテム! 我が手にっ!


 ――――――ぽんっ!


 ――――――じゃん! 広辞苑です! やっぱ、日本語の国語辞典と言えばこれでしょう!

 ――――――だって、ここは私の世界ですからね。

 ――――――一畳しかありませんけど。テヘッ☆

 ――――――それでも、立派に独立した世界なんですよ。

 ――――――どうです? 褒め称えちゃったりしちゃっても、良いんですよ?


 ――――――……頭を撫でるぐらいの事、してくれても良いでしょう。

 ――――――ケチですね、貴方。ケチです。二回言いました。強調してみました。


 ――――――あぁ、はいはい。今の手品の説明ですね。して差し上げますよ。

 ――――――っていうか、タネも仕掛けもないから手品ではないんですけどねぇ?

 ――――――ふっふう。カッコつけてみました。ふふっふぅ。


 ――――――この小さな一畳分の真っ白い部屋はですね、ですね?

 ――――――実は、私が一から組み上げて創り上げた世界なのです! どっかーん!

 ――――――ん、んんんんぅ?


 ――――――はい、そうでした。これ、言うの二回目でしたね。では、続きを。

 ――――――ここは私が創った世界ですから、私に都合良く出来てるんです。

 ――――――ま、今の地球ぐらい大きくなっちゃうと大変なんですけどねぇ。

 ――――――融通が利かなくて不便なのです。さっきみたいに、物を出したりできませんし。


 ――――――えぇと、うふっふふぅ、その話は置いて、と。

 ――――――さっきのは、私が思ったからそのように再現されたんです。

 ――――――『この場に広辞苑が出てきて欲しい』

 ――――――と願ったから、実現したんですよ。凄いでしょう?


 ――――――だけど、世界が大きくなればなる程、不便になるんです。反比例ですね。

 ――――――その点、ここは便利で最高なのですよ!

 ――――――現実では有り得ない事でも、ここでは十分に有り得るのです。

 ――――――えっへん! 今度こそ、頭を撫でてくださいますか?


 ――――――あ、へ、いや……あの……その……ね? うん。

 ――――――電子辞書なんて、私、良く知りませんし。手に取った事がありません。

 ――――――学校の先生だって、電子辞書より紙の辞書をオススメするじゃないですかぁ。


 ――――――えぇと……『舎人子』……。

 ――――――……『下級役人』『雑人』……やっぱ駄目です!

 ――――――うぅん。考えてみれば『とねりこ』って私個人の名前じゃないですし。


 ――――――はい、そこー。「個『人』?」とか言う突っ込みはなしです。ブーです。

 ――――――あぁ、はいはい。本題に戻りましょう。

 ――――――えぇとぉ……私の名前の話でしたよねぇ?


 ――――――そうでしたそうでした。危ないところでしたよ。

 ――――――私とした事が、危うく忘れる所でした。


 ――――――私の呼び名の話でしたのに、つい『舎人子』の方に気が、ね。

 ――――――あぁ、いえ。『とねりこ』という名は廃棄する事にしましょう。

 ――――――よくよく考えれば、これは固有名詞ではないのですからね。ふっふぅ。


 ――――――はいはい。私の固有名詞はですね……。

だんだんこの子のキャラの方向性を見失っていきます。

危ないです。


『――――――』を使う意味なんですが、文中にもある通り『小さな別世界』という設定なので、声が実際の世界を違う響き方をしているという事を示したかったんです。

かなり狭いお風呂場をイメージして下さい。

そんな感じです。


では! 続きを早く出せるように頑張ります。

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