沈黙にして喧騒
――――――初めての人は初めまして。
――――――久しい神はお久しぶり、
――――――……なんてね?
――――――はい、どうも。
――――――御早う御座います、今日は、今晩は、お元気ですか、私も元気です。
――――――おやおや、なんて顔をしていらっしゃるのですか?
――――――まるで蝿の入った蜜酒を呑んだように眉を顰められている。
――――――あら、まぁ。無意識ですか?
――――――ふっふぅ。兎も角も、世界の弥栄を願って、
――――――ばんざぁぁい!
――――――………………。
――――――何故、一緒にして下さらないのですか? 少し寂しかったでしょう。
――――――……あぁ!
――――――これは失礼、失敬、御無礼を御許し下さい。私とした事が何たる失態を。
――――――そう、貴方は「初めまして」に分類される御方ですね。いやはや、お恥ずかしい。
――――――見知らぬ者にいきなり絡まれては、困惑致しますものね。
――――――私の事を理解していただかなければ。
――――――理解されないというのは、とても悲しいですからね? ふっふぅ。
――――――狂ってしまう程にね?
――――――では、先ずは名前から。基本中の基本ですよね。そうでしょう?
――――――ふっふぅ、そうですとも。さて、どうしましょうかねぇ。そうですねぇ、そうですねぇ。
――――――私の事は『とねりこ』と呼んで下さい!
――――――……いえ、『舎人子』ではなく『とねりこ』です。