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其は聖譚曲にして狂想曲  作者: 犬野ミケ
物種 序章
2/9

禍を招く火の悪神

 崩れていく。何もかも、私の手で崩壊していくのだ。

 全て、私が引き起こしたのだ。後から後から沸き上がってくるのは、他でもない、満足感。

 これ以上の喜びがあろうか? 否、ある筈がない。


 私を嘲笑った者よ、恐怖に失禁した滑稽な姿を私に晒せ。

 私を蔑んだ者よ、跪いて骸となった自身を供物に捧げよ。

 私を虐げた者よ、さぁ、殺戮劇を繰り返そうではないか。


 よもや、この程度で私の怒りが収まるなどとでも思っているのではあるまいな。

 そうだとすれば、実にめでたい頭だ。束の間の平和とビールで脳味噌が溶けているのか

 貴様等の想像以上の力を、私は持っているぞ。知らなかったろう。


 狼よ、息子よ。縛鎖を千切れ、大口を開けて嚥下しろ。恨みを忘れるな。

 蛇よ、息子よ。世界を揺らせ、毒を撒き散らせ。腐り落ちた世界は美しい。

 冥府の女王よ、娘よ、お前の世界に引きずり込め。大仕事は遣り甲斐があろう。


 私達に与えた所業を後悔せよ、私達の味わった苦痛を存分に感じ取れ。

 貴様等の調和を乱す事が私の使命、存在意義そのものなのだから。

 私の名を忘れるな。私が在った事を理解しろ――――――我が名はロキ。災いの神であるぞ。


 崩れていった。何もかも私の手で崩壊していった。

 繰り返すというのか? あの悲劇を喜劇を。世界よ、貴様の考える事など、この私にも到底、理解が出来ぬ。

 だが、面白い。是非とも私も参加しようではないか。演奏者の一人となる事を、甘んじて受け入れよう。


 楽しみだ。混ぜ合わせて、捏ね合わせて、掻き混ぜて――――――嗚呼、楽しみだ。


 グチャグチョネチョリ、ネチャグチョリ。さぁ、混ぜて混ぜて混ぜてしまおう。ネチョグチャリ。

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