第八話 最後の戦い②
地球と火星の和平条約が結ばれた。
だが、その瞬間を断ち切るように、
地獄の傭兵部隊アサシンギルドと火星軍最終防衛システムZEUSが牙を剥いた。
「何か撃ってくるみたいだ!回避運動に入れ!!」
「もう、この輝きを見た者は生きては帰れない!ビッグバン放射ッ!!!」
ZEUSの12の主砲が唸りを上げ、
宇宙を裂くほどの閃光が放たれた。
“閃光の壁”が戦場を飲み込み――わずか数秒で、70%の艦隊が消滅。
通信は断たれ、炎の残骸が無重力空間を漂う。
「地球軍第七艦隊……反応消失!」
「死んでる……誰も、応答しない……」
宇宙に閃く閃光。ZEUSの砲撃で戦艦が次々と蒸発する中、
アマードマグナム三機が戦いを始めた。
白い機体はマーシャルの「ホワイトナイト」
紅い機体はバーバラの「レッドパッションダンサー」
そして、地獄の傭兵長オーガーの「アースオーガー」
「お前ら……戦争を終わらせるつもりか?
ならばこの俺が、最後の“戦争”になってやるッ!!!」
オーガーが金棒を構えた瞬間、機体の装甲が地を割るような音を立てる。
衝撃波が宇宙を歪ませ、星の光さえ揺れた。
「おりゃああああッ!! ブチかますぞォッ!!!」
ドガァァァァァン!!
オーガーの金棒がバーバラの紅いマグナムに叩きつけられる!
だが
「そんな大振りじゃ……踊りにすらならないわ」
紅のマグナムが華麗に宙を舞い、薔薇の花びらのように弧を描いて回避。
機体のスラスターが光の花弁を散らした。
「薔薇の機雷、起爆ッ!」
薔薇の形をした小型爆弾が連鎖的に爆発、衝撃波がアースオーガーの装甲を焼く。
金属の叫びが宇宙にこだまする。
「ぬおおおお! 小細工がァッ!」
オーガーの腕が伸び、金棒がミサイルのように飛ぶ!
だがマーシャルがすかさず割って入る。
「行かせるかッ!! ゲイボルグ・リバース!!!」
光の槍が一本、二本、三本そして三十の光線に分裂し、
オーガーの金棒を粉砕した!
ガギィィィィィィィィン!!!
「ぬぅっ! まだだァァァ!!!」
アースオーガーが両腕を広げ、肩部装甲が開く。
内部のトゲが無数のミサイルへと変形し、雨のように降り注ぐ!
「大佐、下がって!!!」
「いや、今しかないッ!」
マーシャルは推進器を全開にし、
光の尾を引きながら真正面から突撃した。
バーバラがその隙を作るように宙で回転し
「今度はこっちのショータイムだよ!」
だがその瞬間
バーバラがナイフを天に突き上げ、
光の粒が尾を引く。
「何がショータイムだァ!!!」
オーガーが腕を振り上げ、振り下ろす。
まるで隕石が落ちるような衝撃!
「バク転ステップ♪」
バーバラが軽やかに回転しながら、薔薇の機雷を一つ置く。
「ぐっ……くそおおおっ!!」
爆風がオーガーの腕を焼き、黒煙が立ちのぼる!
「今だッ!!ダンシングヒーロー発動ッ!!!」
【戦術名:ダンシング ヒーロー(Dancing Hero)】
バーバラのマグナムが流星のように回り込み、
その隙を狙ってマーシャルが光の槍を構える!
「ターゲットロック完了! 準備OKだよ!」
紅と白、二機が交差する。
無重力空間が一瞬だけ止まり、光の十字が描かれる。
「ゲイボルグ、ジャスティス!!(裁き)」
マーシャルの槍が30の光の束となり、
一斉にアースオーガーを貫いた!!
「うおおおおおおおおッ!!!」
オーガーがのけぞり、火花をまき散らしながら咆哮!
その瞬間、
上空からバーバラが宙返り
「ショーは……ここまでッ!!!」
踵落とし一閃!
バーバラのナイフがアースオーガーの首を掻き切った!!
スローモーションのように、
オーガーのマグナムの首が後方へ跳ねる――
そして。
「ぐおおおおおああああああああああ!!!」
血の雨が噴き上がる
その赤は、宇宙の闇さえ染めていく。
バーバラは静かにナイフを払った。
薔薇の花びらが、血の粒と混ざりながら舞う。
「血の粒が……本降りだね」
マーシャルが槍を構え直し、炎の中を見つめる。
「行こう、バーバラ。まだ終わっちゃいない。」
「ええ、まだショーの幕は下りないわ。」
二機のマグナムが静止し、
燃える残骸の光がゆっくりと消えていく。
地獄のステージは、まだ続く。
次なる敵狂神ZEUS”が、光を放とうとしていた。




