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第六話 宇宙船内で戦術テスト

宇宙戦艦内 ― テストシミュレーションルーム


暗く照らされた訓練ルームに、メカの光がちらちらと反射していた。冷たい金属の床を踏みしめながら、

アクス、ディック、イーグルの三人が戦術ブースに入る。


ディックは真剣な表情でモニターを見つめながら

「……これから俺たちは、本物の戦場に出る。生き残るには、頭を使わないと無理だ。」


アクスは腕を組んで頷きながら

「戦場には傭兵や賞金稼ぎもいるらしいな。俺たち新人には容赦ないぞ。」


イーグルは椅子の背に座って逆さまになりながら陽気だ。

「傭兵サンようたいへん!ガッハハハーッ!!命が何個あっても足りねぇぜー!」


(ディック、少しムッとした顔で)

「……笑ってる場合じゃないよ。戦術案を考えてきたんだ。“スクランブル8”って名前をつけた。」


(イーグル、急に真面目な顔になる)

「おっ、なんかカッコイイ名前だな。続けてくれよディック!」


ディックはタブレットに戦術図を表示しながら

「これは三機編成専用の包囲戦術だ。名前の通り、8の字(∞)を描く動きで敵を翻弄して、中心点で一気に叩く。」



挿絵(By みてみん)


■戦術名:スクランブル8(SCRAMBLE 8)

【概要】

3機の機体(仮にA、B、Cとする)が8の字を描きながら立体的に旋回する戦術。


【動きの詳細】

A機(左旋回):水平方向に大きく左へ旋回。敵の注意をそらす牽制役。

B機(右旋回):A機と逆に右へ旋回。こちらも牽制しつつ時間を稼ぐ。

C機(縦旋回):中央上空から垂直に降下するように8の字の交差点で突入。決定打となる火力を叩き込む。


【交差点=集中砲火ゾーン】

3機の8の字の交差地点に敵機を誘導し、タイミングを合わせて一点集中攻撃。


【利点】

複数方向からの攻撃により、敵のセンサーやロックオンを混乱させる

対応が遅れる敵機を迅速に無力化

囮役の機体の被弾率を最小限に抑える


(アクス、頷きながら)

「……いい戦術だ。実戦経験の浅い俺たちでも活かせそうだな。」


(ディック、やや不安げに微笑みながら)

「でも、この戦術には……おとり役が必要なんだよ。」


(全員、ディックのほうを見る)

「ちょっと、なんで俺を見るの……?」


(イーグル、ニヤニヤして指差しながら)

「ディックちゃーん、君、逃げ足速いデース!適任だな!」


(アクス、小さく笑いながら)

「ま、今のところは任せておく。でも交代制にしようぜ。」


(ディック、しぶしぶ頷いて)

「わかったよ……まずは僕がやってみる。でも、絶対、後で交代してよね?」


(イーグル、両手を上げて)

「オーケー!敗者という言葉は歯医者がいう言葉デース!歯イシャー!命あっての戦いデース!」


(ディック、やや真顔で)

「……実践経験の少ない僕たちが、生き残るための最善の選択なんだ。」


(アクス、静かに呟く)

「……そうだ。殺らなきゃ、殺られる。これが戦争の現実か。」


こうして彼らは、朝日が差し込むまで“スクランブル8”の訓練を繰り返した。




地球 アメリカ大陸 ミレーユの家

ウッドテラス。毛布に包まれたミレーユが星空を見上げている。

隣には猫のアイシュタイン


(小さなため息と共に空を見つめて)

「今日は……星が満天ね。綺麗……あ、流れ星!それとも……」


(毛布をきゅっと抱きしめて)

「兄さん……今ごろアフリカ大陸かな?来月には休暇で戻ってくるって……」


(足元でくるりと回る猫を見て微笑む)

「ねぇ、アインシュタイン、兄さんも……空の向こうで頑張ってるんだよね?」


(猫アインシュタインが高く鳴く)

アインシュタイン「みゃああーん!」


ミレーユは猫を抱き上げ、星にそっと願いを込めた。


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