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【SF5位達成】『哀しみのマグナム』リバイバル  作者: 虫松
第四部 オーストラリア大陸戦線

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第一話 猫と将軍と看護学生

アメリカ、カリフォルニア州郊外。

ミレーユの家のポストに、遠い戦地から一通の封筒が届いた。


封を開けると、砂ぼこりのついた写真と便箋。

写っているのは、笑顔で肩を組むアクス、ディック、イーグルの3人。


ミレーユは思わず微笑んだ。

「これが、長崎で話してた小心者ディックとお調子者イーグルね。ほら、見てアインシュタイン」


「ミャーー」


アインシュタインは気怠そうに伸びをして、手紙の上で丸まる。


==================


親愛なるミレーユへ


アジアの戦いが終わったことは知ってるだろう。

今、オーストラリアへ向けて移動してる。

俺専用のマグナムに乗ってるんだぜ。すげぇだろう?

手袋ありがとう。……でもオーストラリアは夏だった。

ごめん、もう少ししたら使うから。

早く戦争が終わって、君に会いたい。


愛してる。アクスより


=================


「……ふふ、相変わらず不器用なんだから」

ミレーユは写真を胸に抱きしめ、窓の外を見つめた。


その時。


庭の方から、ドタドタドタドタッ!!

「おんなーーっ!出迎えるにゃー!!!」


扉を勢いよく開けて飛び込んできたのは、ちびっこい将軍服の少年。

金ボタンが大きすぎて、まるで衣装に着られているようだった。


「誰っ!?」


「マロは、ハーン将軍! アジア戦線を支えし偉大なる少年将軍にゃ!」


「……子どもじゃないの。というか“にゃ”って何?」


「それは口癖にゃ! 猫を愛する者は語尾に“にゃ”をつけるのが礼儀にゃ!」


足元ではアインシュタインが警戒態勢。

「シャアァァアア!!」


「おぉ!かわいいにゃ〜! おいでおいで~マロは猫が大好きですにゃ~」

「こら、そんな抱きつき方したら──」


「フギャアアアアア!!!」


バシッ!!!

ハーン将軍の頬に三本の赤い線が刻まれた。


「うぎゃああ!こいつ、裏切ったにゃーーっ!」


ミレーユは溜息。

「だから言ったのに……アインシュタインは初対面の人、苦手なのよ」


「おのれぇ……!マロに向かって何という振る舞い!おい女、この猫を今日の料理として出せ!」


「この子、どんな風に育てられてきたの!? できるわけないでしょうが!」


「この鬼女めっ!反逆罪ですにゃー!誰か!誰か捕まえるにゃーー!」


……しかし部屋には、猫とミレーユしかいなかった。


ミレーユはこめかみを押さえて、深くため息をついた。

「はぁー……この子の面倒、1ヶ月も見なきゃいけないなんて……」


ハーン将軍は、ティッシュを鼻に突っ込みながら椅子によじ登る。

「マロ、ここで暮らすことになったにゃ。よろしく頼むにゃ!」


「(よりによってお子様みたいな将軍の保護者役なんて……)」


かくして、

おっとり看護学生ミレーユと、猫狂いの少年将軍ハーンによる、

波乱の“共同生活にゃーにゃん日記”が始まったのであった!



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