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第16話 ディズニーランドでお買い物

「イーヤ ナツトクシナイ。カケヲ シタノハ ワトソン デ、 ワガハイ ジャナイ。 ゼッタイ アキラメナイ カラナー」

 黒兎の珊瑚はまだごねている。男らしくない奴だ。いや、男だからか?


 その時、視線を感じた。視線の先にはあのモリアーティがいて、こう言った。


「あの、立ち話もなんですし、どこかで座って話しません? それに、兎が喋ってるの見られるとまずいと思うんですけど」

 私達は、慌てて人目のない所へ逃げ出した。



 ◇



「……本物のワトソンさんとホームズさんなんだ。五代目の先祖が、あのジョン・ワトソンなのは聞いてたけど、まさか本人に会えるなんて」

 モリアーティがマジマジと私たちを見ている。


「うん、そんな訳なんだ。皆さんせっかく来たんだから、今日は僕の家に泊まって、今夜のハロウィン楽しんでいってください。おばあちゃんの手料理で、歓迎しますよ。」

 五代目が嬉しそうにそう言った。


「でも、ハロウィンは夜だよ。まだ朝早いし、時間はたっぷりある。

 せっかく来たんだからどこかへ遊びに行こうよ。

 ディズニーランドが、100周年記念で盛り上がってるからお勧めだけど、サンフランシスコからロサンゼルスじゃ、200kmある。今から行ったら遅くなっちゃうから、うちの自家用ヘリを飛ばそうか?」


「そんな! モリアーティ君そこまでしなくても……」

 五代目が慌てて止めた。生まれ変わったモリアーティの家はかなり裕福のようだ。


「ナニ 200km? ワガハイ ナラ イッシュン ダゾ」

「ほんと? じゃあみんなでジェットコースター(*注1)に乗ろうよ! 俺、あれ大好きなんだ」


 なんだかわからないうちに、ディズニーランドとやらで遊ぶことになってしまった。


 ◇



「あれ? キング・アーサー・カルーセルだ(*注2)。ここファンタジーランドじゃないか!ジェットコースターはアドベンチャー・パークの方なのに」

 モリアーティが文句を言っている。


「スマン チズ ノ ガメンダト シュクショウ ノ カンケイ デ ゴサ ガ デルンダ」黒兎が謝っている。


「……激しくズレてるんだけど」

 モリアーティがジト目になる。黒兎はいささか方向音痴のようだ。

 そのせいで今まで雌兎を見つけられなかったのかもしれない。


「私、これ乗りたい!」

 兎娘が、目の前の回転木馬メリーゴウランドに目を輝かせている。


「あら、あのふわふわの雲みたいなの何?」

 マザーはと言うと、ワゴンのほうに目を輝かせている。

 綿飴コットンキャンディ(*注3)を見たのは初めてのようだ。


「これ、飴なの?すご〜い、おいくら?これで買えるわよね」

 そう言うと、皮の古い巾着袋から金貨を取り出したのをみて、私は慌てて止めた。


「おい! マザーそれ、ルイドール金貨(*注4)じゃないか。今の時代の相場は知らないが、多分このワゴンの商品丸ごと買えるぞ」


「えー! でも私これしか持ってないのよ、お釣りもらえないの?」


「僕が奢ります。好きなものなんでも買って良いですよ」

 にっこり笑ってモリアーティが言った。




 流石にこの年で回転木馬は恥ずかしいので、私たちは側のベンチで座って見ていることにした。


「やっぱり女の子には回転木馬が似合うね。あ、ミッキーのポップコーン(*注5)あった」


 ミント・ジュレップ片手に、ソルティキャラメルポップコーンを食べながらモリアーティはニコニコしている。黒兎も、膝に乗ってお相伴に預かっている。

 マザーのわがままで、わざわざ売店まで行ってイロイロしこたま買ったのだ。


 全員モリアーティの奢りの百周年記念限定のポップコーン・ボックスを、膝の間に挟んで食べている。チェダーチーズ味が結構美味い。


 私の左手にはリンゴ飴(*注6)、ワトソン君の左手には綿飴コットンキャンディ


 五代目だけは、両手に三段重ねのアイスクリームと、ソフトクリームを持っているので、食べられない。首からポップコーンボックスを3個下げている。


 ストロベリーミルフィーユ味とベリーチーズケーキ味とソルティキャラメル味だ。

 アイスがマザーで、ソフトが兎娘。

 100周年のスピリットジャージと紫のミッキーイヤーハット(ネーム入り)が結構似合ってる。


 *******

(*注1)絶叫マシンと呼ばれる乗り物。ジェットコースターは和製英語。米名はローラー・コースター。


(*注2)回転木馬(日本・メリーゴウランド)1870年代ヨーロッパ・アメリカに普及。英国/ラウンダバウト・米国/キャラセル・仏国/カルーセルと、呼び名が違う。金歯のある馬は、ウォルトディズニーが、奥様のリリアンのお気にいりの馬につけた目印です。ちなみにジェットコースターのあるアドベンチャー・パークの側にも、ジェシーのクリッター・カルーセルが有る。 (黒兎が間違えた?)


(*注3)綿飴。米名/コットンキャンディ。溶かした砂糖を糸状にしたお菓子。1897年米国テネシー州ナッシュビルで、生まれる。1904年セントルイス世界万博で“フェアリーフロス”の名で出展、世界的に普及する。米国で12月7日はコットンキャンディーの日。


(*注4)ルイドール金貨。フランス・ルイ14世の時代の金貨、金の含有91.7%と非常に高く、歴史的価値も高い。現代の相場で127万〜80万円(税込)


(*注5)ディズニーランドのポップコーンには、ミッキーマウスの形の物が時々入ってます。ドナルドダックのもあるらしいですが、どうやって作ってるんででしょうね?ミント・ジュレップは、ウォルト・ディズニーが好きだったドリンクです。


(*注6)持ち歩きスイーツの定番、ディズニーランド名物りんご飴。1908年米国ニュージャージー州で誕生。

キャラメルやチョコでコーティングしたものなどいっぱいありますが、金曜日限定1050円のクラッシック・タイプも人気。米名/キャンディーアップル・英名/タッフイーアップル・仏名/ポムダムール。


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― 新着の感想 ―
[一言] 夢の国にご一行がご到着ですね。 遊園地(テーマパーク)というのは、物語の舞台としても良く使われる感じがします。色んなアトラクションがありますけど、物語の舞台として、また様々な展開に使えそうな…
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