表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界事変 ~狂いし妄者は殺戮の日々を味わう~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/101

第80話 異界事変⑨

 隔離用の結界が消滅すると同時に、俺達の攻撃が始まった。

 先陣を切って動いたのは"灼熱"だ。

 両手から白炎を放射して光の卵を焼いていく。


 そこに"分解"が手をかざして補助をする。

 光の卵がきしきしと音を立てた。

 炎で見えなくなっているが、何らかの変調を来たしているようだ。

 固有の能力で存在構造を分解しているのだろう。


 "術王"は楽しげに笑いながら術を連鎖させる。

 数千にも及ぶ攻撃が四方八方から光の卵に襲いかかっていった。

 いずれも並の妄者に当てれば致命的な威力を誇る。

 あらゆる防御を想定した魔術の嵐は、どんな相手だろうと滅殺する。


(遠慮がねぇな)


 その様子を俺は静観していた。

 この遠距離は得意な間合いではないからだ。

 哭き崩しで作った武器を投げることもできるが、他の攻撃の妨げになるだけであった。


 他の妄者達も黙って見守っている。

 いや、一部はこっそりと接近を試みていた。

 隙を見て中距離や遠距離から仕掛けるつもりなのだろう。


 たっぷり百秒ほど待った頃だろうか。

 三人の妄者の遠距離攻撃が中断された。

 医者が指示を出して止めさせたのだ。


 爆心地に浮かぶ光の卵は健在であった。

 多種多様な攻撃を浴びながらも、確かに存在している。

 ひびが少し深くなった気がするが、もはや誤差の範囲だろう。

 数十万の軍隊すら一瞬で屠る攻撃でさえ"終焉"の殺害には届かなかったのだ。


「こいつは大したものだ」


 単純に頑丈というより、攻撃を吸収して己の力に変換したのだろう。

 そうでなければ説明がつかない。

 これは殺し甲斐がありそうだった。


(近付いて切り裂くか)


 そう考えた時、卵のひびの奥から視線を感じた。

 じっとりとした嫌な視線だ。

 ぞわりと心臓を撫でるような感覚を覚える。


 死の予感。

 何かが来る。


「おっ」


 俺は反射的に身を屈めた。

 すると頭上を何かが通過していく。


 後ろで悲鳴が上がった。

 振り向くと、背後にいた"羅刹"と"滅剣"の首が消滅している。

 俺の躱した攻撃に当たったのだ。

 四肢が痙攣しているが、間もなく動かなくなるだろう。

 妄者でもこれは即死である。


 俺は視線を戻す。

 光の卵は変わらず浮遊していた。

 まるで何事も無かったかのように、静かに君臨する。

 ただ、隙間から覗く視線は明確な敵意を持っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 第80話到達、おめでとうございます! [気になる点] "羅刹"と"滅剣"がこうもあっさり……!! [一言] 続きも楽しみにしています!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ