妖怪叩き売り小町

作者：山田ヤグルシ

なろうラジオ大賞応募作品。

初投稿となります、読みにくかったらごめんなさい。

１０００文字ぐらいなら書けるかな、なんて思ったら１０００文字以内にまとめることのほうが難しいのに気づいたのは書き始めてからでした。

　さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい！

　ちょっとそこの兄ちゃん！そう、あなた！あなただよ！

　ちょいと見てっておくれよ！さっきからこの商店街を行ったり来たりしてさぁ、暇してんだろう？

　ふふん、あたしはちゃんと見てんだからね。この叩き売り小町は何でもお見通しさ！

　…何、叩き売り小町って何だって？もちろんあたしのことだよ！

　若くて綺麗で可愛くて！三拍子揃ったこの商店街みんなの看板娘たぁ、あたしのことさ！

　…何？別段言うほど若くもないし綺麗でもないし可愛くない？

　はっはっは！…はったおすぞコノヤロウ。

　ふん、まあいいさ、兄ちゃん運が良いね！今なら半額セール中だよ、たくさん買ってっておくれよ！

　ああん？何を売っているんだって？

　見てわかんないのかい、おもちゃだよ、お・も・ちゃ！

　いや違う？売ってる物がわからない？

　だーかーら、おもちゃだって言ってるじゃないか、わからない兄ちゃんだねぇ。

　…え、もしかして本当に知らないのかい？右からメンコ、ベーゴマ、竹トンボだよ。

　そういう意味じゃない？何でこんな古い物を売ってるんだって？

　かぁー、何を言うかと思えば兄ちゃん、わかってないねぇ。

　いいかい？おもちゃに古いも新しいも関係ねぇ、全力で遊べば何でも楽しいもんなのさ。

　よし、出血大サービスだ！今日はこの叩き売り小町が、そこんところを兄ちゃんに教えてやろうじゃねえか！

　まずはこのメンコ。あたしの手にかかればヨヨイのヨイ！

　…あれ？ヨヨイのヨイ！！

　…あれ、おかしいなぁさっきはひっくり返ったんだけどなぁ。

　え、兄ちゃんがやる？おいおい甘くみると火傷するぜ？あたしだってひっくり返せるようになったのは…って、えええ！？上手っ！！何３枚もいっぺんにひっくり返してんだよおい！

　…待ちな、このベーゴマならあたしも…あれ、上手く巻けない…え、こんなんだっけ？

　え、また兄ちゃんがやる？おいおいこいつの巻き方はトーシロが…って、えええ！？凄い回ってんだけどぉ！？しかも一瞬で巻いてたよね一瞬で！？

　…竹トンボなら大丈夫だ、問題ない。

　馬鹿にすんなよ、ただ手に力を込めて思いっっっきりぶん回せばいいだけだ。よーく見てろよ？

　３、２、１…おらぁぁぁ！！！

　バキッッッ！！！

　ああっ！！兄ちゃん！！ごめん、勢いつけすぎて顔面にパンチになっちゃった！

　おい兄ちゃん、しっかりしろ！兄ちゃーーーんっ！！

　―——この商店街には叩き売りならぬ、妖怪殴り売りが出ると評判になったそうな…　

読んで頂きありがとうございました！

妖怪関係ねえじゃん！とかいうツッコミはご勘弁下さいm(__)m