格ゲー。格ゲーですよ。
完結っていうのかこれは?
ま、ここで終わりです(せめて一万字は書けよ)。
しょうもない話にはしょうもないなりの何かがあります。
そいではどうぞ。
あいつがなぜか生きていて、そしてなぜか合流した次の日。
俺は少し出かけることにした。一応人類が全滅したとは言っても、別にただいなくなっただけで。
生活していた跡とかはまだ残っている。まあ最も、あの虫どもがわりと食い荒らしたりしてしまった都市は壊滅状態なのだが。
さて、と。
どこに行こうか?
護衛にホノカを付け、俺はテキトーに外をぶらつくことにした。
まあ、俺が定住しているところ辺りはほぼ民家などないのだが。歩いて2時間ほどでゲーセンに着く。
歩いて2時間。
まあ長いといえば長い、短いといえば短い、いや嘘だ。割と、長い。
しかし案ずることなかれ。
別に歩くとはいってない。
「ホノカ」
「なに?」
「おぶって」
彼女たちはスラスターを装備している故、のっけてもらえば速い。
「ええ……? また……?」
そう言えば前回外に出た時もホノカだったっけか? いや俺の体重50キロですけど。
「じゃあ歩いていくってのか?」
「やだ」
「だよな」
ってなわけで、とつぶやいて彼女におぶってもらった。
相変わらず柔らかいこって。
一応兵器なのですが。いやしかし、男がおぶられて移動するのってなかなかシュールだな。
シュール? 単純におかしいだけやろ。
まあいい。一応これは人間じゃないし。いや、見た目の問題?
それはどうしようもない。
―――
その後数十分でゲーセンに着いた。
このあたりに奴らはいない。
なぜか人間がいないというのにすべての筐体が動いている。
まあ、動いているし気にすることはない。
そしてついでに言えば、この筐体に100円を入れる必要はない。すでにマスターキーで設定は解除してある。
俺とホノカが格ゲーで遊んでいると、彼女たちもきた。
「はやかったな」
「人にのっけてもらった人が言うセリフとは思えない」
あいかわらずツッコミが的確だな、ミーナ。しかしまあ、言われなくてもわかってたけどさ。
「あいかわらずあんたは下手くそね」
「うるさいわ」
大体反射神経とかを強化されたやつらに一般人が勝てるわけないだろ?
これでも一応上位ランクには入っていたのだが。まったくもって勝てない。
あーあーあー。
ボコボコにされてるぜ俺のキャラ。
しかも相手の体力を一ミリも削れてないとか。いやー笑えるねえこの状況。
そういう問題じゃないが。
あ、死んだ。
速すぎだろ。まったくもう。
「あーもう一戦だ!」
―――
もちろんその後全敗し、しかたがないので音ゲーのコーナーに逃げた。
無理無理。絶対無理。なんやあいつら、と愚痴りながらひたすらギターをかき鳴らした。
なぜかいつもはミスるところでミスらず、フルコンボした。おお。すげえ。
しかしなんとなく悲しい気分。むむう。
やはり一人で遊ぶってのはさみしいものだ。そう思い、俺はあいつらのとこにもどった。
白熱した勝負だった。いや、はたから見れば何もしていないように見えるだろう。
じりじりと距離を詰め、牽制のジャブを放つ。
しかしそれに合わせ、カウンターをした瞬間にバックステップ。空振りし、隙が生まれる。
その瞬間に一気に前進し、格闘を入れようとするが、ギリギリのタイミングで躱される。
そんなこんなでダメージがほぼ入らず、時間が過ぎていく。
そして。
当然ながらそんなことを続けているようでは、どちらも負けるのだ。
そう、タイムアップだ。
このゲームの仕様として、タイムアップしたときに決着がついていなくても、どう行動したかで勝敗が決まるシステムではある。
しかしあまりにも同じ実力を持っていると、その時はドローゲーム。
故に。
負けたくないと思ったら、最後の数秒で一気に攻撃を仕掛けるという勝負になる。
三分の時間の中、ダメージを与えるのは数秒。
果たしてこれが正しい戦闘なのか? というツッコミはとりあえず無視しておく。
二人が同じタイミングで、必殺技を放った。
というのも、必殺技のゲージは時間と、ダメージで増加する。しかし、ダメージがない以上、時間のみ。
残り五秒の時にたまる仕様だ。
そして。
「「はあああああッ!」」
二人のキャラが同時に叫ぶ。もっとも、同じキャラなので声もモーションも同じ。
放たれたタイミングも、同じ。ならば。
二人の必殺技がステージのど真ん中でぶつかり合い、そして打ち消しあった。
「タイム・アップ!」
おい。おいおいおい。わかってたけどさ。せめて判定を少し弄るとかはなかったのでしょうか?
ちなみに二人が同じキャラを使っている理由は、頑張ればワンコンで倒せるかららしい。このキャラに限って。
ゲームバランスはどうかしている気がしないでもないが、まあ、できるだけましだ。
俺は弱すぎるので参戦不可といわれただ傍観しているだけだったが、それでも十分楽しめた。
―――
そしてその日の夜は、帰りに道沿いに出てきた鹿。
久々にまともに食べられる、と思った。
今日こそはちゃんとご飯を食べてやる。
そう思い俺は皿を手に取った。
が、感覚がない。
あれ?
掴んだはずなのに。
気が付くと、周りの7人も見えない。
え? ちょっと待てや。
―――
そして目が覚めた。
「は?」
おい、誰だこんな夢見せたのは。
おおい。神よ。なぜ俺にあの夢を見続けさせてくれなかったのか。
はあ。
ため息を一つ。
はあ。
ため息が二つ。
今日も、学校ですか。やだなあ。
俺はそう思い、あの六人の武装デザインを描いたノートをカバンに入れ、家を出た。
朝ご飯は食べない主義なのだ。
家を出ると、奴に出会った。
いつもならとてつもなく嫌なものを見るような目だったのだが、今日はそんなことはない。
「おはよ」
そして挨拶してきた。
「あんた誰ですか」
思わず口に出てしまった。
「は? あんた頭おかしくなったの?」
「ああよかった。知らない人だ」
彼女の顔が怒りに歪む。いやーからかうのって楽しい。
俺は彼女に背を向け、逃げ出した。ちなみに50メートル走のタイムは6秒前半な俺。
「待ちなさいよー!」
彼女がそう言いながら俺を追いかけてきた。
俺は振り向きもせず、学校へと向かった。
俺の名前は、相坂光。
さて、と。最初に俺は自分の名前をなんといっただろうか?
そう、リヒト・トラウムだ。ドイツ語で「光」はリヒト。そして「夢」はトラウム。
もうわかっただろ?
はなっからこの話は夢オチなのだ。
いやーがっかりしたならそれはそれで。最初っから言ってたものなあ。
しょうもない話だ、と。
さてさて。あのヘルツなんてものは存在しないこの世界で、俺は今日を生きる。
明日に出会うために。
今日がどんなに悲惨でも、明日は違う日になるのだ。
Tomorrow is another day.Of course.
んじゃ、またどこかで会うことがあれば。
この名前ですべてがわかる(?)という謎なお話。
もしかしたらこの「herz」みたいなのはまたどこかで使うかも。六人も出しておいて、あまり活躍していないのはさすがに可愛そうなので。
もともとこんな明るい話じゃなかったのですけど、たまにはいいのかな、と。
終わった感じがしませんが、ここで終わりです。
てきとーだなあ。
昨日海に行って両ひざを切りました。なんで?