表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2132

2 人間0年目「胎児」

天から

母と父を選んだ理由

天から

地球上にて降り立つ前

私の魂が父と母を選ぶことで

よりリアルに自我を思いっきり

魂を光り輝かせる材料を味わうことができると

光の私は母の体内へと入り

受精し

命が芽生えた


いつも

母のお腹の中から聞こえてきた声は

父への

お金の問題

異性問題 

家事について

父と母のいい争いの声だった。



『うん・・・はたしてこの親で良かったのだろうか? 

 この先思いやられるのが先に見えるな・・・ここから出たくない・・・』



お腹にいた時から

自分の魂が選んできたシナリオ通りのことをすっかりと忘れ

自我が思いっきり出ていた

それでも

細胞は繰り返され分裂していき

臓器も一つ一つでき

少しずつ少しずつ

赤ちゃんの形へとなっていく




11月11日に生まれる予定は

出産日を越えても中々 生まれる気配はない


母は

予定日の1週間前から 歩いたり 階段の上り下りを繰り返したり

飛んだり跳ねたりしても

それでも生まれてこない・・・・


母も痺れをきらし

母の大好きな 



「山口百恵ちゃんの引退卒業式がテレビで見れない!!!!!」



母の叫び声と共に


産婦人科の先生も痺れをきらせ

陣痛促進剤2本打っても生まれてこない・・・・



最初の陣痛から2日間経ち

ようやく頭が出た!!!!と思いきや

頭が大き過ぎて出てこれない・・・・



トイレ用のスポンジで 

大きなかぶのように引っこ抜かれ

大きな頭はスポンジの形になり

産まれ出た



地球にて降り立った

最初の印象

痛い 

眩しい 

この世に出てしまった

以上




こうしてようやく

11月20日 

ジャスト7時 

3800gのビックベビーとして

この世に誕生した私だった。



この後

母は私が生まれてきて

山口百恵ちゃんの引退卒業式のテレビを見れなかったこと

最後の亡くなる時まで

耳にタコができる

毎回毎回と

散々と聞かされることとなる


地球上にて降り立った瞬間


自我をもつ

私の感じたこと

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ