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9/14

満身創痍

更新が大変遅れてしまい、申し訳ありません...

もう7月になり、暑さも益々増しそうですので皆様、体調には十分注意してください。 

ところで、明日は七夕の日ですね~皆様はもう願い事はされましたか?私は...まだなのですが、明日が晴れて皆様の願い事が叶うよう願っています。

(今日も食べられなかった...さすがにこのままだとまずい)


ほとんど食べられないアサディーはもう2日もほぼ水しか飲んでいない状態だった。その水さえも泥で僅かに濁った水で飲むことがためらわれる。しかしそんな水でも貴重な水で、一日にコップ一杯程度の水を二回ほどしかアサディーには与えられないとはいえ、年少者に対してその待遇はかなり破格の待遇だった。

そもそもなぜ水を手に入れるのに6時間も歩いた場所まで汲みに行かなければならないのか。それはこのスアカルケイザュイの近くにある沼の水はソラメンの葉が毎年大量に沼に落ちるため、飲水として使うことが出来ないのからだった。なぜ飲めないか。それはソラメンの葉から何らかの成分が出るせいか、水がとろみを帯び、飲むとお腹を壊してしまうからである。

しかも、この一帯は山に囲まれており、乾燥しているためなかなか雨が降らず、雨水を確保するのも一苦労だった。だから村人は湧き水を頼りに生きているが、あまり国内の技術が発達してないうえ、辺境の地にあるこの領地で湧き水を毎日確実に得る技術を得ることは困難で、枯れてしまうことはこの領地に限らず、よくあることだった。

しかし、そんな最悪な状況さえどうでも良くなるようなことがアサディーにはあった。

食べ物を見るたび、正確には館での出来事を思い出す度に尋常ではないほどの恐怖と吐き気を感じるのだ。

 

(あそこで、どうやって生活していたんだっけ...どうして今さらこんなに...怖いの?)


アサディーの衰弱度合いは日に日に酷くなり、皆が食事をしている間もアサディーだけは寝室に横になっている事が多かった。そんなアサディーに対してあの少女は毎回のように食事を持ってくるのだが、それをアサディーが口にしたことはなかった。

それでも少女は諦めずにアサデイーに少しでも食べさせようと、今日もスアカルケイザュイに行く前に食事を持ってきていた。

汁物を見た瞬間体が震え上がってしまうアサデイーに配慮してか、食事の上にはボロ布が被せられている。


「今日も食べられなさそう?」

 

少し心配そうに聞く少女に申し訳ない気持ちが芽生えたアサデイーは、覚悟を決めてボロ布に震える手を伸ばそうとした。しかし、少女はその手を止め、アサデイーに困った顔で笑いかけた。


「そんなに無理しないで...このあとすぐにスアカルケイザュイに行かなきゃいけないから、体調を崩して遅れると管理者に鞭を打たれるし...夜だから早めに行かないとスアカルケイザュイに着くのに遅れちゃうから、出る仕度はしておいてね」

(ああ、そうだ...スアカルに行かなければ...)


重い体を何とか起こしながら、アサデイーは月が輝く外を見た。

この世界では太陽が出てから再び太陽が出るまでを一日としているわけではない。主に重要視するのは月の方だ。この世界に存在する月にはいくつかの種類があり、その色や形、大きさ、また2つや3つ同時に出た際の月の種類の組み合わせによって一日経った、半年経った、一年経った等を判断しているのだ。

この考え方は砂漠地帯の方からやって来た考え方で、おそらく太陽を基準として一日の基準を置かなかったのは、砂漠地帯では太陽は命を刈る恐ろしい存在で、再び明日をもたらしてくれる敬愛すべき対象ではなかったからだろう。

ちなみにアサデイーは、光をもたらすかの星を「太陽」と称しているが、本当に前世の世界で「太陽」と呼ばれていた星と同じ物なのかは分かっていない。いや、「太陽」が複数存在し、「太陽」の光の色が様々にあることからきっと同じものではないことはアサディーも分かっていた。「月」に関してもまた同様だった。


「ごほっ...ごほ、ごほっ!」


急にそんな音が聞こえ、ぼんやりと月を見ていたアサデイーは少女の方を振り返った。


(...咳?)


アサデイーがそのまま咳をする少女をぼーっと眺めていると、やっと咳が止まった少女はアサデイーの方を見て慌てて謝りだした。


「ごめんね!最近何故か咳が止まらなくて...体もなんかだるいし...」

(え...)

「だいじょ...」

「とにかく、出る支度をしておいてね!」

(ちょっ!まっ...)


とっさに言葉が出ず、アサデイーは、ただ少女が部屋を出ていく姿を見送るしかなかった。


(まだ収まっていないみたいだったけど、大丈夫かな...)


アサディーは寝不足でたいして回っていない頭でそんなことを考えながら気だるい体を無理やり起こして身支度をし始めた。このあと少女と再び合流してスアカルケイザュイに向かうのがアサディーのいつもの日常だった。しかし、今日に限って思わぬ来客があった。


(あっ、最初に会った少年...)


働く者のほとんどは女性であるスアカルケイザュイで、たった一人の異性は、あまり接点のなかったアサディーでさえよく覚えていた。

アサディーの方に少年が近づいていくにつれてアサディーの体が強ばっていく。

少年はアサディーから2歩ほど距離がある場所で止まり、その場でしゃがみこんで、アサディーに何かを差し出した。


(...卵?)


少年の手のひらに乗っていたのは鶏の卵よりは2周りほど小さく、幾分か先のとがった卵だった。


「食べたいと思う?」


なんの感情も乗らない顔と声でそう問われたアサディーは少年の言葉を頭の中で翻訳し、理解し終えた時には疑問ばかりが頭の中を占めていた。


(ん?...えっ、え?た、食べたい?食べたいって...)

「食べたいと思う?」


少年は、すぐに答えないアサディーに焦れたのか、アサディーの返事を急かすようにもう一度アサディーに問いかけた。

しかし、その時にはすでにアサディーの目には少年の手のひらに乗った卵しか映っておらず、少年の言葉を聞いてはいなかった。


(吐き気がしないなら、恐ろしくならないなら...なんだって食べたい。何でもいい...)


そんなことを思いながら、少年の手のひらに乗った卵にまるで魅せられたかのようにアサディーは卵をじっと見つめ、そんなアサディーの目を少年もまたじっと見つめていた。


(そういえば、あの館で卵を食べたことない...もしかして、食べられるかも?)


卵を見続けても吐き気一つ湧かなかったアサディーは、少年の手のひらに乗った卵にそっと手を伸ばした。少年に阻まれることもなく、その卵はすんなりアサディーの手の中に入り込んでくる。

酷い空腹感に誘われるように、アサディーは手の中にある卵を床に叩きつけて割り、卵に入った(ひび)から中身を吸い出した。


(あっ...おいしい)


やっとまともに口に出来た卵の味、今まで食べた物の中で何より甘美な味で、アサディーは初めてお腹に染み渡るという感覚を味わった。

そんなアサディーが少年の存在を思い出したのは、卵の中身を全て吸い出したときだった。


(あ...忘れてた)


存在を忘れていたという事実を誤魔化すように、アサディーは卵に向かっていた目線を然り気無く無表情な少年の方へと戻した。


(気分を悪くしたかもしれない...取り敢えずお礼を言わなければ)


そう思ったアサディーが感謝を口にしようとした瞬間、ずっと無言だった少年が言葉を発した。


「...うまいか?」

(え...)


その少年の声音は、人の機微に鈍感なアサディーでさえ負の感情が含まれていると感じるほど顕著に不快感を(あらわ)にしていた。


(そういえば、食べたいと思うか聞かれただけで私のために持ってきたなんて言われてない気が...私が卵を取った時に抵抗も何もされなかったからてっきりそういう意味かと...でも、ただ食べたいと思うかどうか聞いてどうするつもりだった?...いや、一緒に食べるとかそういう予定だったのかも...確か前世の世界では昔は卵が貴重だったとか聞いたことがあるし...もしかしてとんでもないことしたんじゃ...)


ものすごい早さでアサディーの頭は回転していたが、さらに不安が募るばかりで何一つ少年の機嫌を直せるような案は思い浮かんではこなかった。

そんなアサディーを少年は何の感情も表に出さずに見つめていたが、やがて


「また見つけたら持ってくる」


と、ただそう言って寝室から出ていった。

残されたアサディーの胸の内には、少年が去ったことによる安堵と、色々誤解させてしまったのではという不安だけが残っていた。

取り敢えず、今はすぐにでもスアカルケイザュイへ向かう支度をしなければとアサディーは重い体を引きずるようにして、支度を始めようとした。

ちょうどその時、アサディーの脳裏に何かが引っ掛かり、アサディーは先ほど少年が言った言葉を脳内で再生させた。


(見つける...持つ?いや...持ってくる?つまりこの卵は...)


行き着いた結論にアサディーは思わず固まってしまった。未だに左手に握ったままの卵の殻をそっと見下ろす。


(確かにこんな辺鄙な場所で買えるはずないことは分かっていたけれど...てっきり、毎日この宿に食料が届けられるからそういうことかと...でもこれは、生まれるかもしれなかった命)


そう考えると、アサディーの手のひらに伝わる殻の冷たい温度が、まるで冷たくなって二度と目を覚まさない死者の体温のように感じ、アサディーはその殻をそっと床の上に置いた。

冷たい感触がまるでお前が殺したのだと責められているような心地になったからだ。

口の中に残る甘ったるい味が、喉を通って胃に流し込んだ液が、これから雛鳥になる予定だったもののなれの果てだと考えると、アサディーは思わず雛鳥が悲鳴を上げながらドロリと崩れ、奈落の底に落ちていくような情景を頭に思い描いてしまった。


それから少年は時々アサディーに卵を持ってくるようになった。アサディーは空腹で次第にそれを拒むことができなくなり、最後には人は常に命を奪わなければ生きていけない生き物なのだと言い訳のようなことを考えながら受け入れるようになっていた。アサディーは未だに卵以外のものを食べることが出来なかったのだ。

少年もまた、最初の時とは違い、アサディーが卵を食べても顔色一つ変えることはなかった。

そうして、少年に対して恐怖を抱いていたアサディーが少年に慣れ、少年と少しずつ話をしていくようになった頃、少女は微熱と胸の痛みを覚え、とうとうスアカルケイザュイで働くとき以外は寝込んだ状態になってしまった。











その日アサディーは水を汲むために険しい岩山を登っていた。


(最近、あの子の咳が酷くなってきている気がする...ただでさえ毎日過度な労働で体は疲弊しているのに、あんなに空咳をしていたらすぐに体力が尽きてしまう。勝手に仕事を休ませてしまったら罰せられるのはあの子だろうし、そもそも家のためにお金を稼ぎに来ているのに私の独断で休ませるのも...せめて何か体力がつく食べ物とかないかな?)


アサディーは辺りを見回しながら食べ物らしきものを探そうとしたが、月明かりだけが頼りの今の状況では暗闇しか見えず早々に諦めざるを得なかった。


(一番はやっぱり薬とか買えれば良いのだろうけど、店なんて近くにないし...薬草どころか山菜すらよく知らないから作るというのも...そもそもあの子が何かの病気なのかも分からない。...でもあの衛生状況の悪さを考えれば何かの病気になったと考えたほうが自然か...特にあのトイレは館よりも酷い)


そんなことを考えていたのが悪かったのか、注意が散漫になったアサディーは足を滑らせ、心臓をひやりとさせた。


(あ、危なかった...)


アサディーは反省し、手に抱えた桶を背負い直して岩山を登ることだけに集中しようとした。その時、ちょうど雲の合間から月明かりが漏れ出、辺り一帯が明るくなった。辺りの木々が徐々に照らされていく中、一際月明かりを反射させて光る物があった。

アサディーが何かと思って近づいてみると小さな卵が転がっていた。上を見ると木々の間に鳥の巣のようなものが見える。

もう一度下に転がっている卵に視線を戻し、掴み上げたその時、アサディーの後ろから急に声が聞こえた。


「やめた方がいい。落ちた卵を巣に戻しても親鳥はまた落とす」


アサディーが驚いて振り向くと、そこには少年が立っていた。


(や、やめる?えっと...落ちる、卵...もどして?いや、戻す、かな?再び、落とす...何で落ちていた卵をせっかく戻したのにまた落とさなきゃいけないんだ?何かのしきたり?というか、これ...)


「卵、食べる...き、もち」

「え...」


思いもよらないアサディーの言葉に対して明らかに引いている様子の少年に気が付かず、アサディーは言葉を続けた。


「あの、女の子...これ、あげる。これ、おいしいと健康だから」


拙い言葉の羅列で何とか少年に伝えようとするアサディーだったが、少年はアサディーの言葉を聞いても無言のままだった。


(文法とかよく知らないけど...何か言葉間違えたかな?えっと...) 

「これ...........やさしい、与える」

「.....」

(...もうこれ以上話さない方がいいかも。余計なこと言ったかな...確かにやさしいは余計だったか...生まれるはずの命を啜っているのに.....と、取り敢えず然り気無く退散して...)


アサディーが頭の中でこの気まずい雰囲気の中を抜け出すための策を練っていると、少年が急にアサディーが背負っていた桶を持ち上げた。


(ん?)

「ほら、腕外して」

(腕?腕がどうしたって?)


いつまでも固まったままでいるアサディーに焦れた少年は勝手にアサディーの腕から縄を外していき、桶を自分の背に背負った。

初めは少年が何をしたいのか全く分からなかったアサディーだったが、自分の背から少年の背へと桶が移って初めて少年の意図に気がつき、慌てて少年に何か言おうとした。しかし、言いたい言葉の単語が分からず、アサディーは仕方なく少年の後に続いて岩山を登ることになった。










水汲みから帰ってきたアサディーは疲れた体を引きずって、少しでも寝ようと寝室で横になろうとした。


(あれ?)


そんなアサディーの目に、先ほど自分で見つけた卵が映った。


(確かに置いてきたはずなのに...あの子が持ってきてくれたのか?)


アサディーはその卵を持ち上げてじっくり眺めたが、やがてそっと掛け布団の中に隠し、自分もその隣に横たわった。











スアカルケイザュイから帰ってきたアサディーは掛け布団の下がもぞもぞ動いているのをみて、訝しみながらもおそるおそるめくりあげると、爬虫類のような鱗で身を覆われた奇妙な生き物がそこにいた。


(え...一体この生き物は?)


アサディーは驚きと不気味さのあまりすぐさま掛け布団を床に押し付けて、その妙な生き物が自分の方へと来れないようにした。


(なんで私の掛け布団の中にいるんだ?もしかしてどこかの隙間から入りこんだのか?そう言えば最近ますます隙間風がひどくなってきて、夜は火を点けないと寝られないくらいの寒さに...いや、そんな話はどうでもよくて、問題は...そう、問題はあの子に上げる予定だったあの卵がまだあるかだ...まさか食べられていたり...)


焦る気持ちを抑えながら、少しでも安心しようとアサディーはもう一度掛け布団を少しずつめくっていった。

アサディーの掛け布団の下には奇妙な生き物と割れた卵の破片が散らばっていた。


(食べられた!...いや、この生き物、そう言えば少しべとべとしていないか?え、もしかして...)


その時、アサディーの右腕に鋭い痛みが走った。毒を飲まされたほうがまだましと思うほどの痛みに、アサディーの視界が霞んだ。痛みに息が詰まったアサディーは、思わず腕を振って痛みの根源を取り除こうとしたが、僅かにでも動かすたびに増す鋭い痛みに腕を押さえた。


(いっ、痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!!)


アサディーが顔を歪めながら腕を見ると、そこには先ほどまで掛け布団の下で蠢いていた奇妙な生き物がおもいっきりアサディーの腕に歯と爪を立てていた。


「っ!っ、っあああああああああ!!...あ、あっ!ああああ!」


今まで得体のしれなかった謎の痛みが視覚の情報となって具現化され、痛みが遥かに増したように感じたアサディーの口から悲鳴のような、呻き声のような声が零れ出した。

その時、誰かが寝室の中へ駆け込んでくる音が部屋に響き渡った。

しかし、近くに投げ捨てられていた掛け布団を必死に握りしめて声を抑え、痛みに耐えることしか頭に浮かばないアサディーはその音すら捉えることは出来ず、ただ体をなるべく動かさないようにしながら俯き、目に涙を浮かべていた。

その誰かはアサディーの肩に手を置いて話しかけたが、アサディーは痛みにしか意識が向いておらず、話が出来ない状況だと判断したその誰かがアサディーの腕からその奇妙な生き物を引き離そうとした。

その際にその奇妙な生き物は暴れ、さらにアサディーの腕に牙や爪が食い込んでしまった。その痛みに冷や汗を浮かべながらひたすら過ぎ去るのを待っていたアサディーは僅かに痛みが弱まったのを感じ、詰めていた息を吐き、痛みを感じていた腕を見た。


(あ、あれ?あの生き物は...)


さほど回らない頭でどこかに行ったのではと考えたアサディーがふと視線をあげると、そこには奇妙な生き物を持った少年がいた。

そのままぼーっとしていたアサディーが気がついたときには、何処から持ってきたのか分からない布でアサディーの腕の、奇妙な生き物に噛まれた部分より少し上の部分を少年によってきつく縛られていた。

しかし、いくら腕を布で縛って血が流れるのを防ごうとしてもアサディーの腕からはだらだらと血が流れだし、床一面を赤く染めていた。


(噛まれたところは発火したかのように熱いのに、指先が冷たい...)


その後、少年はアサディーの体を横にし、奇妙な生き物に噛まれた方のアサディーの腕をすぐに上に挙げた。そして、傷口を拭い取る作業をその都度布を新しくしながら3、4回ほど行い、最後にまた別の布を傷口に押さえつけて圧迫した。すぐに真っ赤に染まってしまう布をすぐに新しいものと取り替えながら何度か繰り返し、やっと血が止まった頃にはアサディーはすでに眠りに落ちていた。


*四字熟語ってもっといい意味のものがあったはずなんですけど、これといった題名を付けられなくて語彙力の無さに嘆くばかりです...

ところで、皆さん、新たな登場人物...登場生物が出てきたことに気がつきましたか?前回宣言した通り、新しく出てきましたよ~人ではないですけどね~(笑)まあ、結構重要な立ち位置にいることは確かなんですけど。

ちなみにその登場生物に噛まれた傷の手当ての仕方が出ていましたが、その補足を。(長いです)

今回、怪我の部位の心臓側を縛った場面がありましたが、余程の大怪我でない限り普通はしなくても大丈夫らしいです。逆に下手に縛るときつく縛ったつもりでも緩くなっており、その結果患部に血を送る動脈は開いているのに血を送り返す静脈が閉じた状態になり、何もしない場合より出血量が多くなるらしいです。動脈が閉じるまできつく縛るのはとても難しく、よほどの大きな怪我でなければ直接傷を圧迫して止血した方が簡単、かつ安全な上に、怪我の部位の心臓側を縛って止血する方法だと、血流不足で組織が死んでしまうのを防ぐために止血時間に注意し、30分以上続ける場合には、30分に1回止血している紐を少し緩め、手足の先に最低限の血が流れるようにしなければならず、かなり大変なそうです。また、止血する紐は針金や細いビニール紐等は細すぎて、圧迫が不十分になり、組織や血管、神経を痛める原因になるため、幅3センチメートル以上は必要になるらしいです。

どうしても縛らないと血が止まらないのにきつく縛れない場合には縛っている紐の間に棒などを入れ、これを回転させ、強く縛ると良いらしいです。

ちなみに直接傷を圧迫して止血する方法ですが、ガーゼやハンカチが出血で濡れてくるのは、出血部位と圧迫部位がずれている、または圧迫する力が足りないからだそうなので参考にしてみてください。

最後に補足の補足なのですが、指の切り傷の場合、腕を上に挙げて指を揃えて細かく振動させると治りがかなり早く、細菌感染の心配もなく、化膿もしないらしいです。詳しくは『10倍早く治す 「指の切り傷」止血法 治療法 教えます』へ~


〈雑談〉

いつも「小説を読もう」内に公開されている小説を読んではアイディアの参考にさせていただいているのですが、何度読んでも文章力の差に愕然としますね...綺麗な言い回しとかテンポの良い会話とか無駄がとことん削ぎ落とされて洗練された文章とか、緊迫感を覚えさせる展開とか涙誘う台詞とか...いつか私も書いてみたいですね...思わず執筆そっちのけで読み込んでしまいます。間の取り方とか文字の配置の仕方とか、記号の使い方とかも是非、誰かに御指南頂きたいものです...

と、長々失礼しました~

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