純文学を書きたい純粋な少女に言ってやった事
その少女は、文学少女、純文学を愛する奴だった。
俺は言ったもんだ、
まだ若く、これからどれだけ努力できるかしれない、
努力の方向性を間違えなければ、絶対に成功できるほどに、気立ても良く器量も才能もある奴だ。
純文学だけはやめておけ、よっぽど言ってやりたい事は、言うならそれだけだった。
俺は思う、思った事を全部言ってやった。
「純文学なんてやめておけ、本当に尊い存在じゃないと絶対不可能な天なる領域だ
それよりも簡単に、バカを搾取するのが、金儲けの王道だろうが
小説でもこの原理は同じよ、馬鹿を商売の道具にするのが一番簡単
舌の肥えた奴らは、エロゲーとかの上位作品でも批判する屑だからな
まあ、そんな事言ってる俺も、超一流の作品以外は、評価しない
そんな自分が大好きだって話し、大抵の奴は俺と同じ感じだろうよ
堅物、頑固おやじ、厳格な人間、
そういう典型的な日本の親父みたいな、そういう存在として、
害悪に成りたいんだろうよ
所詮人間は背徳を好み、罪悪感で己を鼓舞して、日々を精力的に生きるのが絶対王道なのだ
だがまあ、俺は対極の存在にもなりたいと思っているね、
邪道になりたい、大いなる異端として君臨したい
正道を超越するほどの、世界を超絶した個人として、一人で何でもかんでも出来るようになりたい
ありふれたチート願望みたいなモンだな
まああれだ、貴方の書く話を見て、
俺はレビューをしたり、感想を書いたり、ポイントを、
俺が見下す、二流レベルの奴にやってもいいんじゃないかと思い始めたってこと、ただそれだけだ」
それでも、純粋な文学を書きたいと言ったのだから、もう末期なのだろう。
文学に取りつかれている、取り殺されているのだろう。
故の魅力もあるのだが、その魅力で全てを制するには、本当に厳しいジャンルなのだ。
魅力によって、ただ単にそれだけで、小説を真に面白くするのは、本当に難しいのだ、彼女はまだ知らないのだろう。
俺はそう思って、その少女との付き合いをやめたのだった。
ちなみに、俺は純文学で食っている、カリスマ作家だ、魅力が溢れているので、女には事欠かない。