一日目 モンスターだ!
ガサガサと鳴る茂みの中から急に白い物体が飛び出てきた。
目で追い切れないほどではなかったので横に避けたが、木に当たりそうになってしまった。周囲をちゃんと見渡さねば。
正直に言うとびっくりした。普通に姿を表してから攻撃してくるのかと思ったが急に飛び出してくるとは思わなかった。
飛んできた物体は、勢いを殺しきれてないようでモタモタしている。そのスキに観察を行った。
バスケットボールぐらいの大きさで、白いモフモフした毛を持っている。つまりはうさぎだ。普通のうさぎかと思ったが、正面から見てモンスターだとわかった。
人間に例えていうとおでこの辺りに角がある。鑑定もしてみた。
「ツノウサギ。8.2kg」
そのままだな。観察をしていたらまた突進しそうな様子を見せたので、急いで剣を抜いて対応する。
ツノウサギは突進した後もたつくので、その隙を狙って首を切った。案外簡単に倒せた。
「EXPを5獲得」
次のレベルに上がるのに必要な経験値はあと45だから妥当な経験値だろう。
ツノウサギの死体が消滅し、後に角が残った。鑑定するまでも無いが鑑定スキルの経験値を上げるためにやっておこう。
「ツノウサギの角。1.5kg」残り2.15kg
結構重いな。でもコレがあれば何とかすれば槍ができそうだな。
「ツノウサギの槍の構想を手に入れました」
おお、アイデアを保存できるのか。どうやって思考を読んだのかわからないけど。
コレは暇な時に考えておけば便利だな。
ツノウサギは割と楽な相手だし、どんと来いって感じだ。
その後30分ほど歩いた。途中でツノウサギと3匹戦って15EXP、角一個と毛皮一個を手に入れた。
「ツノウサギの毛皮。0.5kg」残り0.15kg
ちなみに毛皮は帽子を作れるぐらいの量しか無い。
敵に合うたび鑑定、ドロップを拾うたびに鑑定をしていたので鑑定スキルがLV2になった。
どうやら敵が来たようだ。ガサガサと、ウサギと比べると大きい音だ。別のモンスターだろう。
しばらくすると緑色の小さい鬼みたいな奴が2匹出てきた。あれは知ってる、ゴブリンだろう。
「ゴブリン。LV1。32.6kg」
お、表示される項目が増えている。嬉しいな。
鑑定しているうちに向こうの戦闘準備が整ったようで、ガラガラの唸り声を出しながら棍棒を構えている。
初めての1対2である。気を引き締めよう。
敵も近づいたら攻撃されるのは何となくわかっているのか知らないが、なかなか手を出してこない。
ならばこちらから行くまでだ。
素早さをいかして左の敵に接近し、喉に狙いを定め、突きを放つ。が、間一髪で躱される。
右の敵が手を出せない位置に移動し、もたついた振りをして敵の攻撃を誘う。予想道理大振りで振り下ろしてきたので躱して喉を切り裂く。
コレで一体目だ。残り一体なので後は楽だな。
ただ、切れ味の低下が怖いので隙をついて攻撃することにする。
仲間を殺されて激怒したのかこいつも大振りで振り下ろしてきた。
思いっきり足を引っ掛けて転がし、首を叩き切った。
「EXPを16獲得」
「剣術スキルLV1を獲得しました」
一匹8EXPか。コレぐらいの弱さなら美味しい。
そして、ようやく剣術スキルを覚えられた。やけに経験値が貯まるのが遅い気がする。
ドロップ品は持っていた棍棒のようだ。
「粗末な木の棍棒。木の材料が足りない時に便利。2.0kg」
アイテムの場合は説明文が追加されるんだな。地味にひどい説明文だ。
アイテムボックスの容量がもう足りない。手に持っていくことにする。
それと足が流石に痛くなってきた。ずっと裸足だったからな、そろそろ洞窟らしきものを見つけたい。
あと10分ぐらい歩いて見つからなかったら砂浜に戻ろう。
10分ぐらい歩いてそれっぽい所を見つけたので見に行ったがゴブリンに使用されているようだ。それと岩場になったので足が痛い。
「HP4減少」
「足に怪我を負っているので素早さが2減少します」
こんな風に状態異常とHPが減っているので、自然治癒に期待してゴブリンの巣を観察している。
しばらく観察していたが5匹ぐらいしかゴブリンがいない。もしかしたらもっと奥に居るかもしれないが、正面から見るとそんなに深い洞窟ではない。一人だけ短剣を持っている奴がいたので警戒をすべきだ。
靴を作ろうにも拠点がないと駄目だ。だから今からこの洞窟というか洞穴を攻略しようと思う。
5匹同時に相手するのはきついので、狩りに行ったゴブリン2匹組を相手にしよう。
奴らは縦に並んで歩いている。前で歩いている方が先輩なのかもしれない。まあどうでもいいが。
なるべく音を立てずに近づき、後ろのゴブリンの首を切る。横なのであまり力は入らなかったが半分ほど切れているはずなので放置する。
前のゴブリンが気づいたが時すでに遅し。首を狙って剣を薙ぐ。狙いがずれて顎に当たったがあまり関係はなかった。
「EXP16獲得。レベルアップしました。ボーナスポイントを5獲得しました」
「HP4減少」
お、レベルアップしたな。
アイテムボックスの容量を増やしたいから魔力ともっと楽にロングソードを扱いたいから筋力に振ろう。
LV 2
EXP 2/100
HP 34/40
MP 21/35
体力 5 (8) (ボーナス:ロングソード+1 皮の鎧+2)
持久力 5 (7)(ロングソード+1 皮の鎧+1)
魔力 5 +2
筋力 5 +3 (11) (ロングソード+2 皮の鎧+1)
耐久力 5 (8) (皮の鎧+3)
器用さ 6 (9)(技術書+2 ナイフ+1)
素早さ 9 (7) (足のけが-2)
知力 5 (7) (技術書+2)
残り 0
よし。取り敢えず邪魔な棍棒を仕舞おう。残り0.15kgだ。
あの洞穴から結構離れているので気づかれることもないだろう。
あの洞穴に戻ろう。
洞穴に戻ってきた。ちょうど目の前に短剣を持った奴が居る。小石で注意を引いて一気に畳み掛けてみよう。その前に鑑定をしよう。
「ゴブリン。LV2。34.9kg」
LV2なのか。EXPに変化があるか気になるな。取り敢えず倒そう。
小石を自分の居る草むらの近くに投げた。危機感が無いのか、そのまま近寄ってくるので一気に飛び出して心臓の辺りを突いた。
技量が無いのかあまり刺さらなかったが、倒れたので顔を足で何度も踏みつけて倒した。
「EXP9獲得」
「HP3減少」
1EXPしか増えなかったな。まあ良いや。
ドロップは短剣を落とした。
「錆びた鉄の短剣。錆びているが、なまくらではない。1.8kg」
錆びているだけなら、手入れをすればまた使えるな。棍棒をアイテムボックスから出して、短剣をしまう。残り0.35kg。
残りは2体だ。2体ならば倒せる。
残りの2対は洞穴の中にいた。こちらを警戒している。
洞穴の中はそんなに広くはないので、戦うのには不安である。中に入ってもなんとかなりそうだけど、できれば外で戦いたい。
小石を投げて挑発することにした。小石を3個集めて一個ずつ投げた。すべて頭にあたった。1匹が我慢できなくなったのか、怒って外に出てきた。
おびき寄せられれば簡単だ。剣の腹で棍棒を思いっきり叩いた。とても都合のいいことに棍棒でガードしてくれたので叩き落とす事ができた。
足を斬りつけると前に倒れたのでそのまま心臓を突き刺した。
残るは洞窟内に居る一体だけだ。
今までのゴブリンとは違い仲間が殺されても冷静だったが、1対1なのでほぼこちらの勝利のようなものだ。
さてどうやって攻めようか。調子に乗って斬りかかっても良いかも知れないな。
あんまり自分から攻めて行かなかったから、これでいこう。
ロングソードを上から振り下ろす。避けられた。
小さく薙いだ。バックステップで避けられた。
突いた。コレもまた避けられた。
思いっきり突いた。ゴブリンはバックステップをしたが、奥の壁にぶつかった。
更に突きを放った。ゴブリンの心臓の辺りに突き刺さった。
「EXP16獲得」
「HP5減少」
よし、倒した。足が血だらけになっている。今になって痛くなってきた。
ドロップは棍棒だったので放置。とにかく今は休憩がしたい。
多分今は昼ぐらいだろう。お腹もすいてきたし。
ただその前に休憩だ。休憩をするぞ。
現在のステータス
LV 2
EXP 27/100
HP 28/40
MP 24/35
体力 5 (8) (ボーナス:ロングソード+1 皮の鎧+2)
持久力 5 (7)(ロングソード+1 皮の鎧+1)
魔力 5 +2
筋力 5 +3 (11) (ロングソード+2 皮の鎧+1)
耐久力 5 (8) (皮の鎧+3)
器用さ 6 (9)(技術書+2 ナイフ+1)
素早さ 9 (7) (足のけが-2)
知力 5 (7) (技術書+2)
残り 0
スキル
鑑定スキルLV 1 (10/10)→LV 2(3/40)
剣術スキルLV 1 (9/10)
構想
ツノウサギの槍
所持品
・アイテムボックス
ロングソード E
皮の鎧 E
技術書
ナイフ
釘 20本
赤い果物 6個 1.2kg
赤い果物の種 6個 0.15kg
ツノウサギの角 2本 3.0kg
ツノウサギの毛皮 1枚 0.5kg
錆びた鉄の短剣 1.8kg
合計 6.65kg/7.0kg
・手持ち
なし
*HPは5分間に体力/2のHPを回復します。小数点は切り捨てです。
*MPは1時間に魔力/2のMPを回復します。小数点は(ry