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悲しみの果てに ~探偵物語〜  作者: 白井花乃
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『約一年程前から旦那の様子がおかしくて・・・確証がある訳では無いのですが、絶対浮気してると思います』


ゆきがゆっくり淡々と話し始めた。


『旦那の仕事は18時が定時なんです。最近は0時を過ぎる事も珍しくありません。結婚当初も帰りが遅くなることは度々あったのですが、なんていうか様子が変なんです』


探偵は旦那が浮気していると確信した。浮気調査依頼は面談の中で配偶者が浮気をしているか否かは依頼者の状態や話す内容で9割は判別出来るのだ。


『分かりました。まずは面談に際しての簡単な依頼用紙が有りますので、分かる範囲で記入して頂いて宜しいでしょうか?』


『はい・・・』


探偵はそう伝えると、前もって用意しておいた紙とボールペンをゆきの手元へと差し出した。ゆきが書く文字はとても達筆で育ちの良さをうかがい知る事が出来た。しかし、ゆきの凄まじい筆圧のおかげで綺麗な文字を乗せた紙が今にも破れそうだ。


『あっその辺で大丈夫ですよ。後は私が口頭で質問させて頂きますのでっ』


紙の限界を感じて探偵は我慢できずにゆきを静止させた。


『それでは確認させて頂きます』


探偵が依頼用紙の年齢を確認するとゆきは27歳だった。久々に依頼者の年齢の予想を外してしまった。これは結構ショッキングな事で、日常に溢れている女性や男性の年齢当てクイズの様な、時間の無駄以外の何物でもない馬鹿げたゲームを外したのとはわけが違う。探偵の職に就いているのならば、ファーストコンタクトで人間のおおよその年齢を当てるくらい簡単にやってのけなければいけない。人を見抜く力も調査には必要不可欠な能力の一つなのだ。

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