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-第17章-

またある日の放課後、校舎の裏手にあるほとんど使われていない古いトイレの前で、愛と莉乃は立ち止まった。


周囲は静まり返っており、誰もいないことがはっきりと分かる場所だった。


莉乃は少し照れくさそうに笑いながら、愛に声をかけた。


「ねえ、愛ちゃん。


ちょっとここに寄って行かない?」


愛は少し不安そうに周りを見渡したが、莉乃の誘いに頷いた。


「ここ……?


あまり使われていない場所みたいだけど。」


「うん、だからこそ二人だけの特別な場所にできるんだよ。」


莉乃は愛の手を取ってトイレの中に入った。


中はひんやりとした空気が漂い、昔ながらの造りがそのまま残っていた。



莉乃は一つの個室の前で立ち止まり、愛に優しく微笑みかけた。


「ねえ、愛ちゃん、ここで一緒に入ろう?」


愛は驚きながらも、莉乃の提案に心が揺れた。


普段は絶対にしないようなことをするこの瞬間にどこか興奮を覚えていたのだ。


愛は無言で頷き、莉乃と一緒にその狭い個室の中に入った。


ドアが閉まると、二人は密着した状態でその場に立った。


狭い空間に二人が押し込められることでお互いの体温や呼吸が伝わってくる。


愛は心臓が早鐘のように打つのを感じたが、莉乃の穏やかな表情を見ていると不思議と落ち着きを取り戻した。


「狭いね、でも……」


莉乃が愛を見つめながら、小さな声で囁いた。


「うん、でも……莉乃さんと一緒だと、安心します。」


愛は少し顔を赤らめながら答えた。


莉乃は優しく微笑み、愛の手をそっと握った。


「私たち、こんなに近くで一緒に過ごすことなんてなかったけど、今日は特別な日だね。」


愛は照れくさそうに微笑み返しながら、莉乃の目を見つめた。


「うん、特別な日……だね。」


その後、莉乃は少し恥ずかしそうにしながらも愛に向かって囁いた。


「じゃあ、先に私が使っていい?」


愛は急に顔が熱くなるのを感じたが、なんとか頷いて答えた。


「ど、どうぞ……莉乃さん。」


莉乃は愛が見守る中、便座に腰を下ろした。


愛はドキドキしながらその場に立ち尽くしていた。


耳に届くかすかな水音が彼女の緊張をさらに高めた。


愛は頬がますます赤くなるのを感じながら、莉乃が終わるのを静かに待った。



莉乃が用を済ませて立ち上がると、愛に向かって優しく微笑んだ。


「終わったよ、愛ちゃん。


次どうぞ。」


愛はさらに頬が赤くなり、視線を落としながら答えた。


「あ、ありがとう……。」


彼女は自分の足が少し震えているのを感じたが、なんとか便座に腰を下ろそうとしたその時、ふと気になり、莉乃が使った後の便器を覗き込んでしまった。


そこにある現実に愛はさらに顔を赤くし、慌てて目をそらした。


「ご、ごめんなさい……。」


恥ずかしさで顔が火照り、心臓の鼓動がさらに早まった。


莉乃はそんな愛を見て優しく微笑んだ。


「大丈夫だよ、愛ちゃん。


私たちもうこんなに親しいんだから、恥ずかしがらなくていいよ。」


愛は顔を覆いながら頷いたが、心の中でどうしても恥ずかしさを隠すことができなかった。



少し気を取り直し、ようやく便座に腰を下ろすと、今度は自分が莉乃に見られているという意識がさらに恥ずかしさを増幅させた。


水音が響く中、愛は緊張で胸がいっぱいになりながらも、莉乃の優しい視線に助けられたような気持ちになった。



用を済ませて立ち上がると、愛は顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに莉乃を見た。


「終わりました……。」


莉乃は優しく微笑み「お疲れさま、愛ちゃん。」と声をかけながら、愛の手をそっと取った。


二人は狭い個室の中で、改めてお互いの存在を強く感じながら見つめ合った。



その瞬間莉乃は愛にそっと腕を回し、優しく抱きしめた。


「愛ちゃん、こんなに近くで過ごせたことが、本当に嬉しいよ。」


愛は驚きつつも、その温もりに包まれて心が落ち着いていくのを感じた。


少し緊張しながらも、彼女もそっと莉乃に抱きついた。


「私も……莉乃さんと一緒にいられて、本当に幸せです。」



二人はしばらくの間、狭い空間の中で互いを抱きしめ合っていた。


その瞬間二人の間にこれまで以上に強い絆が生まれ、言葉にできない感情が胸に広がった。



やがて、愛がそっと莉乃の肩から手を離し、少し照れくさそうに微笑んだ。


「ありがとう、莉乃さん……こうして一緒にいられて、すごく安心しました。」


「私も、愛ちゃんと一緒で本当に幸せだよ。」


莉乃は愛に優しく微笑み返し、その手をしっかりと握り続けた。



二人は個室から出て、手を洗いながらお互いに顔を見合わせて微笑んだ。


「これも、私たちだけの特別な思い出だね。」


莉乃が愛に微笑みかけた。


愛はまだ顔を赤らめながら笑顔で答えた。


「はい……。


こんな経験、絶対に忘れられません。」



その瞬間、二人はまた一つ他の誰とも共有できない秘密を持つことになり、その絆はさらに深まった。


二人は手を取り合い、トイレを後にしてまたいつものように並んで歩き出した。

その他の作者の執筆物一覧はこちらをどうぞ_(._.)_




https://nekohoshikyodotai.blogspot.com/2025/06/1.html

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― 新着の感想 ―
個室で二人きりでなんでお花摘みだけやん!!!!健全すぎるわ!!!!
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