-第10章-
莉乃の家は閑静な住宅街の一角にあった。
大きな門をくぐり、手入れの行き届いた庭を通り抜けて玄関に辿り着いたとき、愛は少し圧倒されるような気持ちになった。
莉乃の家は彼女が想像していたよりもずっと広く、豪華だったのだ。
「どうぞ入って。」
莉乃が愛を玄関に招き入れると愛は靴を脱ぎ、少し緊張しながら家の中に足を踏み入れた。
「すごく綺麗なお家ですね……。」
愛は感心しながら周囲を見渡した。
「ありがとう。
でも、今日は私たちだけだからそんなに気を張らなくていいよ。」
莉乃は笑顔で言いながら、愛の手を引いてリビングに向かった。
リビングは広々としていて、大きなソファとテレビが置かれていた。
壁には、家族写真や莉乃がピアノを演奏している写真が飾られていた。
「ここが私のお気に入りの場所なの。
ピアノは別の部屋にしかないけど、ここでもゆっくり過ごせるからよくここで本を読んだりしてるんだ。」
莉乃はソファに座り、愛にも隣に座るよう促した。
愛は少し緊張しつつも莉乃の隣に腰を下ろした。
「こんなに落ち着く場所で莉乃さんが読書をしてるなんて、素敵ですね。」
「愛ちゃんが一緒にいてくれるなら、もっと素敵な時間になるよ。」
莉乃は愛に優しく微笑みかけ、二人はしばらくの間無言でその場に座っていた。
その静かな時間が、二人の間に流れる穏やかな空気をより一層深めていた。
愛は、莉乃と一緒に過ごす空間がどれだけ自分にとって特別なことなのかを改めて実感した。
「莉乃さん、私、今日ここに来て本当によかったです。
こんなに安心できる場所は今までなかったかもしれません。」
「私も愛ちゃんが来てくれて嬉しいよ。
今日は二人だけの時間をゆっくり楽しもうね。」
莉乃は愛の手を優しく握りその温もりを共有した。
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