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市職員メモ その4


消失物の様子がおかしい。

いや、もとよりおかしくはあったが、最近は更にその度合が増している。


当初この消失物には、意図が存在しないと考えた。

なんらかの理由により発生した異常であり、市民や捕獲者はその現象に振り回されていると。


だが近頃は、意志ある行動が見受けられる。

すでに、消失「物」と呼称するのはふさわしくない。


仮にこれを夢操者むそうしゃと呼ぶ。

人によっては実体が捉えられず、夢と関連するものが多いことがその理由だ。


消失物あらため夢操者は当初、人に対する興味を持たなかった。

見えないブロック等、異常なものを振りまくだけだった。


だが、いつからか、個人はもちろん、集団として人がどのように振る舞うかを探り出した。


なぜ夢操者は人に興味を持ったのか。

無関心を翻した理由は何か。


今まで掲示した事例の中に、その理由がある可能性は高い。


少し話を整理しよう。

夢操者は、見えないブロック、あるいは鉱物系のものを通し、人の意識に対し影響を与える。


一方、捕獲者は人間に対して物理的改変を行う。

糸、あるいはそれを織ることで作成したビニール状のものや電線などもあるが、あくまでも補助的だ。


人の身体に影響を与えるのが捕獲者であり、人の意識に影響を与えるのが夢操者である、と言ってもいい。


この二種は敵対しているが、どうも戦った様子がない。

妙求市民に異常な影響を与えるだけだ。

いったい何故か。


考えられるのは、認識だ。


新入りであるZさんと、アルバイトのUさんは、夢操者の影響を受けている。

彼らは捕獲者由来のものを認識できなかった。


捕獲者の影響を受けていると思われる市職員も、夢操者由来のものは認識できなかった。


ひょっとして、夢操者と捕獲者は、互いを直接認識できないのでは?


影響下にある者がそうである以上、親玉もそうであると考えるのが妥当だ。

このすれ違いがあるからこそ、二種の異常は直接対決に至っていない。

人間を通した間接的な形でしか関われない。


妙求市が決戦場とならないのは幸いだが、代わりに彼らは人を駒とし、市を盤面としている。




挿絵(By みてみん)

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