市職員メモ その3
消失物と捕獲者、この2つの対立に妙求市民が巻き込まれている。
ただし、巻き込まれる受動だけではなく、主体的に賛同する者たちも増加傾向にある。
句丹間に住む者たちは、消失物の排除を行った。
彼らの根底にあるのは、異物が紛れ込むことへの拒否だ。
一方、消失物に賛同する者たちにも動きがある。
大型書店・陣薛では、消失物に関連する人間にのみ聞こえる放送を行った。
正月飾りの代わりに生首を飾る風習が、妙求市南方にて発生した。
これらは、敵味方を区別する手段であると思われる。
消失物の影響者たちは結束し、集団を形成しようとしている。
消失物と捕獲者。
これら二種の異常は性質が異なる。
捕獲者は対象を捕らえ、「より良いもの」へと入れ替える。
ちょうどネイルサロン『Narasura』での行動がそれに当たる。
捕獲者に悪意はなく、「良いことをしている」認識だと思われる。
ただし、そこに人間性への尊重は一切無い。
一方で消失物に権力志向は薄い。
好む行動は、娯楽と悪意が入り混じったいらずらでしかないが、それにより発生する被害は考慮していない。
妙求市は、2つに分断されつつある。
それは権力を恣に扱うことを望む集団と、他者を自由に玩弄することを求める集団との対立だ。
対処する必要がある。
だが、その方法は見えない。
追記・消失物の始まりは、Gさんが持ち運んだ懐中時計か。
持ち込まれた異常である消失物に、この地にあった異常である捕獲者が対抗している、そのような構図か。
捕獲者は劣勢であり、現代的手法を学んでいる。周波数帯のゼロ地点は、この学びの様子か?
Xは誰だ




