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オンライン同窓会の可能性

それらは、どれもよくない可能性がある。


大学生のSさんは、中学の同窓会に出席するに際して不安があるという。


別地域の大学へと進学し散り散りとなっており、また蔓延しているインフルエンザを警戒し、オンライン飲み会の形式で開催された。


「皆、そんなにお金もないですし」


参加希望を募り話し合う中、Sさんは妙なことに気がついた。


「私が知らない人が、いるんです」


Xという人物が、同級生として認知されていた。


「けど、どう考えても、そんな人はいなかったんです」


クラス写真を幾度確かめてみてもいなかった。

不登校、あるいは個人情報保護のために写真に映ってない人物も確かにいるが、それにしても思い出す切っ掛けすらなかった。


「同窓会に出席する人数そのもの少なかったんです、けどそれでも、私以外の全員がXについて知っているのは、さすがにおかしいです」


X自身が積極的に話を先導していた。

飲み会開始前の準備段階だったが、Sさんはただ不安が募った。


「……私が憶えていないだけ、って可能性も普通にあって……」


中学時代、精神的に不安定だったSさんは暗く、あまり友達もいなかった。


「どうすればいいのか」


暗い時代を乗り越える手助けをしてくれた友達だけに、無下にもできなかった。


「こんなの、ただの愚痴ですよね」


構わないと伝えた。


「たぶん、私が気にしすぎなんだと思います……」


不安そうにしながらも、Sさんは帰宅した。


後日、結果を教えてもらった。


「最悪でした」


知らない思い出話に花が咲き、疎外感を覚えたためではなかった。


「Xしかいませんでした」


オンライン上に友人たちの姿はどこにもなかった。


「あいつ、笑いながら言ったんです」


オマエなんかに友達がいると、本当に思ってるの? 


そう嘲笑した。


「他の友達の連絡先は、すべて消えていました」


元から無かったかのように。


「どっち、なんでしょう。あるいは、どれなんでしょう……」


Xによって友人たちとの連絡が取れないようにされたのか。

そんな友人は、もともといなかったのか。


あるいは、Xだけが存在したのか。

それとも、Xですら存在しない相手なのか。


「正直、どれでも最悪です」


今もSさんに、Xからの連絡は続いている。

ブロック設定は効果がなかった。


挿絵(By みてみん)


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