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カラオケマシンの可能性

その歌は、憶えていた可能性がある


駐車場に、カラオケマシンが一台だけ出現することがある。

コイン投入口があり、一曲10円だが、一人一回しか歌えない。


曲選択はできず、マイクを持ったとたん始まる。


「知らない曲なんです。けど、なぜか歌えるんです」


一度歌ったSさんは言う。

ディスプレイに表示された歌詞を歌うことに戸惑うことがなかった。


「歌詞かい? いやあ、ずいぶん勇ましいものだったとしか憶えてないねぇ」


いまだ帰宅せずに放浪するWさんはそう述懐する。


「すごく優しい曲調でした、ちょっと、その、歌詞が思わせぶりでしたけど」


Hさんは困ったように述べる。


「あれ、途中から誰かハモるよね、そういう機能? うん、別にいいんだけど」


Kさんが歌っているそのときは、気にならなかった。


「俺、歌うの苦手なんですけど、一緒に歌ってくれて心強かったです!」


Iさんは疑問にも思わない。


「いいですよね、あれ。歌うのは苦手なんですが、エステルも、ああ、ペットも一緒に歌ってくれました」


ビニール袋をペットとするEさんは恍惚と言う。


10円で歌えるそのカラオケは、設置場所はランダムであり、突如として現れる。

曲は個人により異なり、途中から知らない人物がハモリを入れる。


「逆です」


新入りはそう警告する。


「知らない曲が歌える、違う。知ってる曲が、知らないことになっています」


戸惑わなかったのは、彼らがカラオケで繰り返し歌っていたからだ。


「ハモった部分が、消えています」


現在、妙求市では短い曲が流行している。


挿絵(By みてみん)

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