表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/126

コーヒーの可能性


コーヒーの味が変われば、それは未来の味覚である可能性がある。


Cさんは帰宅時、須園すえ通りのコンビニでコーヒーを買うことを日課としていた。


だがその日、ケース内のコップへと注がれた液体は透明だった。

何かのミスでコーヒー豆が切れたと考えたCさんだったが、取り出したものに違和感を覚えた。


「あまり嗅いだことのない、いい匂いだったんですよ」


酒だったという。

アルコール度数3%の桃のチューハイだった。


「飲んでみても、ええと、そういう味でした」


当時十九歳の真面目な大学生だったCさんは後ろめたさを覚えながらも、それを楽しんだ。

不思議と他の人からすれば、ただのコーヒーでしかなかった。


「試しに友人に飲ませてみたんですけどね、コーヒーを奢ってくれる変な奴、って顔をされただけでした」


コンビニでコーヒーを買うたび、さまざまな酒を嗜んだ。


時には酒ではなく紅茶や日本茶などもあったが、それすらCさんにとっては娯楽の一部だ。


コーヒーが別のものに変わる現象ではなく、自身の未来の味覚の先取りであると判明したのは、しばらくしてからのことだ。


「出なくなったんです」


コーヒーマシンから液体が出なくなった。

店員に確認しても、怪訝な顔をされるだけだった。他の人からすれば変化は起きていなかった。


「日記と照らし合わせてみると、ちょうど一年先に味わったものが、必ず出ていました」


空をコップに注がれる日々が続いた。

落ち窪んだ目の、やせ細ったCさんの『何も飲まない日々』が始まるのは三週間後のことになる。


挿絵(By みてみん)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
死の予告……?(^.^; ※申し訳ありませんが『冬のホラー企画3』の参加作品の条件は『新作のみ』となっております。連載作品の場合は『企画開催期間中に新連載として始めたもののみ』です。わかりにくくてす…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ