あたしは首の皮一枚
わりとそんなかんじ。
あたしはいつも首の皮一枚
ちょん切れそうなところで なんとかつながってる
もうちょっと ベーコン何枚ぶんか
お肉も余裕をのこして つながってたらよかったのに
いつもぎりぎり
皮一枚のこしてつながった首
ぷらーんってぶらさげて
「ふぅっ、今回はあぶなかった」って笑い話にする
ドン引きするひともいれば
あわてて針と糸をもってきて
あたしの首を縫いつけてくれるひともいて
「まったく! 何度めだと思ってるの?!」って
ちくちくしてくれたりする
まったく おっしゃるとおりです
あたしだって もうちょっと
せめて ベーコン何枚ぶんかといわず
頸椎くらいは無事でいたい
肉を切らせても 骨は断たれないで
血はどばどば出るのに わりとけろっとしていたい
なのに だめよね
あたしはいつも首の皮一枚
ちょん切れそうなところで なんとかつながってる
そんなあぶなっかしいあたしだから
みんなは ほっとけないって 世話をやいてくれて
針と糸とを手ばなせないひとだっている
ほんと お世話かけます
あなたがいるから
あたしは皮一枚のこしてつながった首
ぷらーんってぶらさげながら なんとかやってける
笑い話にしたり 自慢できるようなことじゃないけど
そこんとこは ちゃんと感謝しながら
つぎこそはもうちょっと ベーコン何枚ぶんか
お肉も余裕をのこしとこうって決意して
いつかは至りたいと
肉を切らせて 骨は断たれずの
境地をめざしてあたしは生きよう
そして首から血をどばどばさせながら
わりとけろっとしてこう言うんだ
「見切ったぞ!!」
いつも、お世話かけます。