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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テーマ詩集:身体検査

あたしは首の皮一枚

作者: 歌川 詩季

 わりとそんなかんじ。

 あたしはいつも首の皮一枚

 ちょん切れそうなところで なんとかつながってる


 もうちょっと ベーコン何枚ぶんか

 お肉も余裕をのこして つながってたらよかったのに

 いつもぎりぎり

 皮一枚のこしてつながった首

 ぷらーんってぶらさげて

「ふぅっ、今回はあぶなかった」って笑い話にする


 ドン引きするひともいれば

 あわてて針と糸をもってきて

 あたしの首を縫いつけてくれるひともいて

「まったく! 何度めだと思ってるの?!」って

 ちくちくしてくれたりする


 まったく おっしゃるとおりです


 あたしだって もうちょっと

 せめて ベーコン何枚ぶんかといわず

 頸椎(けいつい)くらいは無事でいたい

 肉を切らせても 骨は断たれないで

 血はどばどば出るのに わりとけろっとしていたい


 なのに だめよね


 あたしはいつも首の皮一枚

 ちょん切れそうなところで なんとかつながってる


 そんなあぶなっかしいあたしだから

 みんなは ほっとけないって 世話をやいてくれて

 針と糸とを手ばなせないひとだっている


 ほんと お世話かけます


 あなたがいるから

 あたしは皮一枚のこしてつながった首

 ぷらーんってぶらさげながら なんとかやってける


 笑い話にしたり 自慢できるようなことじゃないけど

 そこんとこは ちゃんと感謝しながら

 つぎこそはもうちょっと ベーコン何枚ぶんか

 お肉も余裕をのこしとこうって決意して

 いつかは至りたいと

 肉を切らせて 骨は断たれずの

 境地をめざしてあたしは生きよう



 そして首から血をどばどばさせながら

 わりとけろっとしてこう言うんだ


「見切ったぞ!!」

 いつも、お世話かけます。

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制作:冬野ほたる先生
― 新着の感想 ―
[良い点]  「あたし」はきちんと周りが見えていますよね。  ありがとうの気持ちが伝わるから、皆が助けてくれるのだと思います♪ [一言]  「あたし」なら、完全に……でも縫い付けてもらって復活! な気…
[良い点]  まわりに支えてもらえるのは本人のちからだと、どこかで読みましたよ。  なのできっと『あたし』が皆に世話を焼いてもらえるのも、『あたし』のちからなのだと思いますよ。
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