〈10〉準備-2
あけましておめでとうございます!
体育祭まで残り二週間を切った。学校はもちろんのこと生徒会としてもさらに多忙を極める期間になってきた。美麗は本部生徒会と変わらぬ量の仕事を任せられ学校中を奔走していた。ようやくひと段落した~と思って生徒会室に戻っても、
『あっ、烏野ちゃん次これお願いね』
『美麗先輩、会場図の作成お願いしてもいいですか?』
などなど、きりなく仕事が降ってくる状態である。
あと15分で昼休みが終わる。ちなみにランチなどというものは何も食べていない。せっかく莉栗が気を利かせて予備の予備でゼリー飲料をくれたのにそれを食べる時間もない。
(あそこに行こう...)
戻ったらまた仕事が来るはずだ。ならば青蘭ちゃんとお菓子を食べたりもしたベンチに行こう、という考えに至るのもこんな状態だからこそ難しくない。一応言っておく。決して逃げているわけじゃないからね?
「あー涼しい」
久しぶりに座った気がする。
というか長瀬会長、やさしそうに見えて結構人使いが荒いんだけど!?あ~ゼリーがおいしい!!早く家に帰りたい!
ある程度大きな木の下に設置されたこのベンチはエアコンなしでも涼しい場所として一人になりたい時などに重宝している。しかし美麗は知らない。数分後その場所で美麗の恐れていることが起こるということに。
◇◆◇ー美麗が一息ついている一方...
「ごめん叶野、これ倉庫に置いてきてくれない?」
「わかりました」
渡された大きめの段ボールの中には小さめのコーン20個とリレーのバトン、マーカー。内容物は多くもないし重くもないのにかかわらず何故、大きすぎる箱を使うのか疑問を抱きながら叶野は倉庫へ向かった。
(あっついな。)
叉紗、アイツよくチョコレート溶けず持ってたな。美麗に渡した時、顔赤くなってたけど何があったんだ?絶対美麗が何かしたんだろうけど、まあ後で聞けばいっか。
「あそこか、」
彼の目の前に昇降口が見えてきた。行くにはそこを通らなければならない。そしてちょうどそこから美麗の座るベンチと目的地である倉庫が見える。
(美麗がいる)
絶対にさぼりだ。俺は働いてるのにずるいなあ。ちょっとびっくりさせるか。
倉庫に行った後にベンチに会いに行こうと決めた。さっきよりも自然に歩く速度は速くなる。倉庫に入り無事段ボールを棚に置いて出ようとしたその時だった。
(開かない...)
お決まり(?)の展開。閉じ込められた。しかも
「扉しまってる!」
ヒロイン、星野綺羅と一緒に。いわゆるイベントである。
よい一年になりますように☆彡




