〈6〉屋上の鍵2
こんばんは
「で?昨日のアレ、何?」
「すみませんでした」
美麗は腰を見事90度に折り曲げた。ここは校舎の隅のベンチで人は周りに誰もいない。そこに春翔は右脚を上に重ねて脚を組んだ体勢で直立の美麗と対面していた。
「何で早くのうちに返さなかった?」
「タイミングがー」
「いやお前、同じクラスってわかった瞬間来るべきだっただろ」
「返す言葉もないです。ごめんなさい」
「非を認めるんだな?」
「ハイ…」
まるで尋問…。今回は全面的に私が悪いけど本道春翔。高圧的で弁明する隙もくれないなんて将来絶対に上司にならないで欲しい。切実にね、
「なら決定だ。生徒会に入れ。」
(ん?)
「調べたらお前は初等部の時から教師からの評判がいいな。また、毎年のように下級生の入学式に代表として出席している」
(それは不本意なんですけどね…)
去年はクソだった。昂輝、今年どこのクラスか知らないが憶えとけよ〜どこかで絶対に仕返ししてやる!
「この秋、生徒会が代替わりするのを知ってるな?その際、次期会長である俺が新生徒会を発表する予定だ。俺がメンバーを指名できる。よって今日から約5ヶ月間、仮で役員になり先に仕事を覚えろ。」
「何で私なんですか?本道さんが言った条件なら長瀬君のほうが適任だと思います。」
「そいつはもう誘った。しかし断られた」
(!?)
「何でも学年の長をやりたいそうだ。」
長瀬君すご、コイツの上から目線での申し出を真っ向から断ったんだ!かっこいいー今度話し聞きに行こっと、
「来週の月曜日。午後四時に生徒会室に来い。それで今回のことは水に流してやろう」
春翔はそう言うとすっくと立ち上がり教室に戻っていった。残された美麗は情報過多で空を仰いでいた。そして、その頭上を飛んだカラスが肩に贈り物を落としていった。
「クソがー!!」
美麗は大声で叫んだ。何に対して言ったのかは誰も知らない。




