<8>美男美女と...イケメン!?
こんばんは。
チュン チュン
(ふあ〜眠い。でも起きなきゃ)
私は自分の頬を叩いて無理に覚醒させた。
奈未を呼んで支度をして今日は街に出かけてメガネを買う予定なのである。
昨日決めた
〜☆脱悪役令嬢計画〜(今、名前決定)の第一歩としての初の行動なのだ。
「だから早く奈未を呼ぼうっと!」
そう思いベルを鳴らそうとすると突然…
ガチャ ヒュー バタッン
(えっ、いったいなにごと!?)
「美麗、今日はダイニングで家族みんなで朝ご飯を食べるから早めに集合してね。」
と朝から素敵な笑顔のお父様が乱雑にドアを開けてこう言い残し去っていった。
いや、急にイケメンが朝から拝めるなんて!心臓がヤバイ、バクバクしてるんだけど。あんな笑顔で言われたら私頑張っちゃいます!
「奈未、お願いね。」
「お任せください、お嬢様!」
こうして私は張り切った奈美によって5分で支度を済ませたのだった。
支度が終わってからすぐにダイニングへ向かうと先に来ていたお父様とお母様が席についていた。
(いや、あの美人がお母様!?美男美女夫婦だな!)
そう思いながら私は自分の席に向かった。
すると私の席の隣に知らない男の子が座っていた。
くりっとした目に薄い唇、一見黒に見える髪の毛も外からの光に当たって少し赤みがかっている。
「きれい」
いつの間にか声に出ていたらしい。その男の子が驚いたようにこちらを見た。
(私何か変なこと言ったかな?まぁいっか。取り敢えず座ろう)
そうして自席に座ったのはいいものの…
(ん?なんか隣から視線を感じるのだけど…)
そう思い隣をエイッと見てみるとやっぱり見られてました。それはもうバチッと目が合いました。
そのまま見つめられるのでこっちとしてもイケメンにドキドキしないわけもなく…どうしよう?
するとお父様が
「今日美麗に朝声をかけたのはこの子を紹介したかったからなんだよ。」
と、声をかけてくれた。
(ナイスお父様!危なかった…後少しで髪の毛に手が伸びるところだった。セーフ…)
「さぁ莉栗、自己紹介をしなさい。」
するとそう呼ばれた男の子は席を立ち、
「初めまして。この度、烏野家の長男となった莉栗といいます。宜しくお願いします。」
と言った。
「マジで!!!???」