<16>憂鬱な1日 決着
オヒサシブリデスネ
コンバンハ(*´-`*)ノ
「美麗、お帰りなさい」
「た、ただいま」
帰ってきて早々、玄関にはいつもよりもにこやかな笑顔を張り付けている人物が美麗を出迎えた。
「あの、お母さ─」
「リビングで待ってるわね?」
そう言うと優雅な足どりで踵を返しそそくさと行ってしまった。普段はリビングで優雅にお茶をしながらのお母様が今日に限って玄関まで来て出迎えるということの意味に美麗は硬直した。
「おかえりなさいませ。まずはお部屋に向かいましょう。」
「ねえ奈未...私今日で終わりとかじゃないよね?」
「....取り敢えず向かいましょう」
(大丈夫って嘘でも言ってよー!!)
不安を抱えたまま大人しく奈未の後ろについていく美麗だった。
□□◆□
「失礼します。」
「ええ、入って?」
リビングにはゆったりとソファーに腰をかけて紅茶を啜るお母様がいた。その優雅な姿から社交の場では『白薔薇の君』と呼ばれているらしい。私からしたらそんな華奢なものではないように思われるのだが...黙るが吉、という事である。
「はい、出して」
「ハイ」
向かいの席に座るとすぐに予想通りテスト用紙を広げるように指示された。置いた瞬間にまるで引ったくるかのような勢いで手に取るので相当気掛かりだったらしい。
私的には今回はガチで頑張った。順位も点数もその分もちろん上がった。けど問題は今目の前で答案と睨めっこしているお母様が満足するかなんだよね...。どうしよう。もしこれで今回許して貰えなかったら...
『この点数で頑張った?そうなのね〜前回よりは上がってるものね。けど...こんなところでミスしてたり少し集中力に問題があったのではない?
そうだ!こうしましょう!これから一ヶ月私の両親の家に行くようにしましょう。そこで私も子供の頃にお世話になった先生に色々と教わって来なさい。』
ここでいう先生とは所謂家庭教師の事。ただこの先生ガチ怖い!!少し前にお会いしたけどしっかりスーツに黒縁メガネのいかにも”私にお任せを”というタイプのカッチリ先生。お世話になんてまっぴらごめん!!!
美麗は目を瞑って向かいの相手が確認を終えるまで俯き耐えた。
「ふう〜美麗、顔をあげなさい?」
「あの...今回はしっかりとやれることをしました。でもその結果で本当にごめんなさい。」
顔をあげ言葉を待たずに一方的に即座に謝った。
「ん?何言ってるの、怒ってないわよ。よく頑張ったじゃないの!手を抜くのは簡単だけどそれではこれから困るのはあなただということを伝えたかっただけなの。」
「...」
「ほら、おやつにしましょう!奈未、紅茶とスコーンをお願いね?」
「畏まりました。」
「ほら、いつまで黙ってるつもりなの?怒ってないって。もう終わったことなんだし反省は次に生かせばいいし、ね?」
「はい」
「お待たせしました。」
そういって帰ってきた奈未がテーブルに置いたのはチーズ、紅茶、プレーンの三種類のスコーンと温かい紅茶だった。
「あなたのために私が焼いたのよ?美味しく食べましょう!」
「ええ!?お母様が...すごく美味しそう!」
「え!?とは何よ。あたりまえでしょ?このくらい出来るわよ。」
こうしておやつを頂きながら和やかに地獄になると予想されたお話し合いは幕を閉じたのだった。もちろんスコーンはおいしかったが少しガリッとしたものが混入していたことは黙っておこうと決めた美麗だった。
今日で9月最後ですね。体調には気を付けて




