<13>体育祭が終わったら
こんばんは~。さらば八月よ。
体育祭が終わりを迎えた。ということはイベントがテストくらいしかないということだ。
この学校、お金は持っているというのにイベントが想像していたよりも多くはない。しかし、ひとつひとつは豪勢なので満足度は高いと言えるだろう。
(このテスト、コケる事は許されない...)
朝、人気の少ない教室の中で美麗は掲示物一覧の中にある要項を見て、ひとり意気込んだ。理由は単純。前回のテストで少し、本当にすこーしだけヤラカシタからである。
「レイ、なに見てるの?....あ~そう言うことね」
美麗が熱心に見つめている様子を見かねて莉栗が横に並んで来た。
「流石に挽回しないとだよね...?」
「まぁ、お母様から怒られたくなければだけど。」
「それはイヤだ」
前回、初めてのテストにして100番第という結果を残したのである。別にそれは個人的にはしょうがないと思っているんだけど、家での勉強の様子を見たお母様が『大丈夫なの?』や『分からないことがあれば対処するのよ?』といった具合に声を掛けてくれていたにもかかわらず、私は『大丈夫です!』といいながら、はまっている小説を貪り読んでいたのだ。
正直、前世の記憶が有るから今世でそこまで悪い成績を取るとは思っても見なかったんだもん!!結果を見た瞬間に負けた...とは思いました。ハイ、流石に。
「何か分からないことがあったら僕にいってね?協力するから!」
「ありがとー!!」
私は何て素晴らしい弟を持っているのだろう!本当に出来た弟で頭が上がりませぬ。
美麗は感激のあまり、その勢いのまま莉栗に抱きついた。
「ちょっ、誰かに見られたら...」
「別にいいじゃん、今ひといないし!しかも私達姉弟だよ?皆知ってるじゃん、仲イイコト!」
「そう言う問題じゃ...!」
「?....じゃぁ何が気がかりなの?」
「それは!──だから」
「何て?」
「だから!!色々と耐えられないから!」
莉栗がそう言い切る前に突然教室の扉が開いた。入ってきたのは莉愛ちゃんだった。
「おはよ~美麗ちゃん!」
「おはよう!」
ニコニコで見つめ合う事10秒。
「えっと、どういう状況!?」
「えっ?あぁ~」
(なるほど!)
確かにクラスに入ってきて一発目に姉弟同士で抱き合いながらの私に挨拶されたら驚くよね~。離れよ。
「何でもない!気にしないで」
そう言って美麗は莉栗から離れ、莉愛ちゃんに駆け寄り話に花を咲かせる。ひとり取り残された莉栗はというとトボトボト席に戻り友達が来るまで机に突っ伏していたのだった。
美麗はチラッとその様子を伺った。
(莉栗、嫌がってたな~)
もしかしてこれが思春期ってやつか!?それならこっちが気を遣ってあげなきゃね。
そして少しの解釈違いで勝手に納得し、反省したのだった。
久しぶりに莉栗出てきた気がしますね。
(というか事実そうなのだけど...)




