<8>お客様②
こんばんは~
(いや~なんて)
気まずいお茶の時間なんでしょうか!テンションと本心がヘンテコな組み合わせになるくらいには疲弊しているらしい。
「どうして急に来たの?」
目の前に座り優雅にお茶を楽しんでいる男、本道冬斗に美麗は疲れたという表情を隠しもせず尋ねた。
「えーだって誕生日でしよ?お祝いしたくて来たんだよー。」
『へーそっか!』
で済む訳無かろうが!?私が欲しいのはもっとちゃんとした理由。て言うかなんで突然なの?ってことを聞きたかったの!
「ねぇ、急に訪ねてこられたから私、凄く驚いたんだよ?」
(相手の迷惑って考えないのかな?)
副音声を聞き取ってくれることを期待して笑顔に怒りを添えて言ってみる。
「でもミレイ、優しいから全然そんな感じしなかった。急じゃなければ良かった?」
(はい、通じてませーん)
「あぁ、もういいや。そうだね。アポイントは最低限礼儀として必要だと思うよ。」
「わかった~。次からはそうする~!」
私は次がないことを願う~!笑顔で対応しながら心のなかで美麗は激しくそう思った。何せ攻略対象の親族。厄介きわまりない。
そうそう、どうしてコヤツが攻略対象である本道春翔の従兄弟かって分かったかと言うとですね?前に先生に呼び出されて話を聞いた、いや、聞かされたときに『従兄弟が生徒会長なのにどうして__』ナンチャラカンチャラ言ってたんだよ。だから念のため名簿をくまなく調べてみたら本道って言う名字はこの二人だけ。しかもまさかの従兄弟らしいとういことが判明したのだ。
はい、めんどくさいでしょ。
「うん、次に来る二百年後には是非ともそうしてください。」
(分かるかな?もう来ないでってことだよ?)
「わー前よりも時間間隔が縮んだ!」
伝わんないよね~。婉曲に伝える方法はいい加減諦めようかな...。
「あー!もう。プレゼントありがとう。ウレシイナー!はい、ようがすんだら帰って。」
「えー」
「えーじゃない」
そう言って強引に冬斗を立ち上がらせ玄関の方へと背中を押していく。そして奈未に目配せをしてドアを開けてもらう。
「じゃあ車は手配してあるから気を付けて帰ってね!」
そう言って玄関の扉を閉め、近くの窓に移動し、そこから笑顔で手を振ってそう叫んだ。
「ブー、分かった。ジャーね。」
渋々と言う様子だが乗る素振りを見せたのでウンウンと頷いて窓を閉め、部屋に美麗は引っ込んだ。
(つがれだー)
早くこい!いや来てくださいまし!ヒロイン様~!と天に願う美麗だった。




