<23>バレンタインチョコ②
こんばんは~!!
「莉栗、かえろ~」
女子白熱の日も終わろうとしている。しかし登校してから教室を出ようとするこの瞬間まで未だ女の子たちのギラギラ度は落ちることを知らない。
「もう少し準備に時間がかかるから先に昇降口に向かってて。」
(りょーかいです)
莉栗に向かって親指を立てて一人廊下に出る。廊下は女の子たちがだいたい二人一組で固まって話している姿が目立つ。横をすれ違った女の子たちの話している内容は
「まだ教室にいるかな?」
「いるでしょ。てか今行かなくていつ渡すの!」
「だって…ああ~緊張する!!」
「だいじょうぶ。大丈夫だって!安奈ならいけるって!」
「…うん!」
もちろんバレンタインにまつわること。ああ、いいなぁ。きっとこの後意中の男の子にチョコを渡しに行くんだろうな~。
男の子のほうもあちらこちらにグループでまとまってそわそわしてるし、まだ希望を捨てていないとお見受けされますなあ!!
(ああ”-良き!)
私には縁のないことだからいまいちこの流れに乗りきることはできてないけど。でも今年は頑張ったほうだよ?クラスの女子とは昼休みにチョコ会と称して友チョコ交換会をしたり、クラスの男子にも簡単なものだけど義理チョコとしてクランチを配ったし。もちろん青蘭ちゃんにもあげに行きました。予想以上に喜んでもらって作ったこちらとしては嬉しいことこの上ないです!
あまあまな空気感に包まれている廊下を抜け昇降口に続く階段を下りる。こちらにはさすがに教室周辺ほどの人数はいないがちらほら女の子たちの姿が見られる。きっと直接は無理だから靴箱の中にでも入れるのだろう。少女漫画みたいでいいな、とは思うけどつい現実的に考えてしまう。
(靴箱臭かったらやだな…)
こんなことを思ってしまう。
だって嫌じゃない?好きな男の子の靴箱を開けたら酸っぱいような何とも言えないニオイがしてきたらさあ!しかもその持ち主の男の子もそこにチョコはいっていたら『あっ、俺のニオイもしかしたらかがれたかも…』って。私なら泣きたくなるよ。でも待てよ、あれなのか?恋は盲目っていうからニオイなんて障壁でも何でもないのか!?
(わからん…)
帰ったら莉栗に聞いてみることにしよう。ウンウン。
そんなことを考えていたら自分のクラスの靴棚にたどり着いてしまった。まだ莉栗は来る様子がない。来るまでの時間何をしようかと近くの壁に寄りかかりながら今日もらったチョコたちを眺め、考えていると、
「美麗じゃん。やっほー!!」
「亮君、もう少し静かにしようよ…」
元気な声と騒がしい足音が聞こえてきた。また、それだけでなくその後ろからはその人物を注意する声も聞こえている。
「あっ、久しぶり!」
私の人生の中でもイケメンの部類上位に入る人物である水原亮と隠れイケメン神野晃が向こうからやってきた。これは下手すれば女子の怖い視線を集めることになってしまうなあ。
(さて、どう乗り切ろうか)
久しぶりの攻略対象登場ですね~(・∀・)ニヤニヤ




