<22>バレンタインチョコ
こんばんは〜
「レイ、行こう。」
「うん」
吐き出す息が微かに白くなる。空もご機嫌斜めな様子。こりゃ雪が降るかもなー。
美麗は莉栗の横を歩きながら空を見上げてそう思った。時間の流れは早く、ついこの間クラス分けで一喜一憂していたと思ったらもうここまで来てしまった。夏休みも秒で終わりわちゃわちゃしていたら...ね。
そういえば夏休みに森羅兄弟のお宅にお邪魔することになっていたのだが二人が夏風邪でダウンし急遽延期になった。
延期といってもその後の目処は立っていないのできっとオジャンになるだろうと予想されるが。
そんな事を考えながら車に揺られていると学園に到着したらしい。
「行ってらっしゃいませ。」
「真麻、今日もありがとう。行ってきます!」
元気よく別れ、莉栗と教室へ向かう。
あれ?今日は寒いはずなのになんだか熱くない?皆、目、怖いよ?
教室に入ってそうそう目に入ったのは莉栗の机、の上のお菓子たち。
「ねぇ、なんかやばいことになってるけど大丈夫?」
「え?あぁ、今日バレンタインか。大丈夫だよ。去年もこんな感じだったしね。」
「そ、そう。」
やはりモテ男は違うのね。
モテ男の余裕を垣間見たところで皆様こんにちは。今日はバレンタインデーでございまする!
好きな男の子に気になるあの子にチョコをチョコっとあげる(失礼いたしました)、あの盛り上がりナンバーワンの日でございます!まぁ、とは言っても私はそんな人いないんですけど...。だから友チョコを女子に配る予定です!
「レイ、今朝渡された袋持ってない?」
「ん?あぁ、奈未からもらったアノ?」
「そう。」
へい。ちょいお待ちー。なんで今日袋なんて?って思っていたらコレ用だったのね。
「はいどうぞ。」
「ありがとー!」
そう言って袋を受け取ると手際よく机の上を片付けていく。その手際の良さはもはや職人と言っても過言ではないだろう。
「莉栗、すごいね〜。去年もたくさんもらったんでしょ?いいなぁーたくさんチョコ食べれて」
「えっ?レイも食べたでしょ?」
「?」
「ほら、僕があげたやつ」
「あぁ!そういえば!」
そう。去年莉栗からお返しという名のチョコ芸術品をもらったのだ。本当に素晴らしく舌だけでなく目でも楽しんだ思い出が蘇ってきた。アレは美味かった。
こんな感じで朝から少しご機嫌斜めな莉栗と記憶を手繰り寄せながら話しているとクラスの男子がこちらに向かって手を打っていることに気が付いた。
「莉栗、A組の大原さんが呼んでるぞー」
「了解。今行くから待ってて。」
「行ってらっしゃい」
「うん。」
そう言って廊下の方へ急ぎ足で向かっていった。その背中姿を見て願う。早く機嫌直ってくれ。それと
(莉栗にいい子が現れますよーに)
また、不定期更新になりそうです...




